【生体】分子伝送システム「ナノ電車」を開発 /産総研at SCIENCEPLUS
【生体】分子伝送システム「ナノ電車」を開発 /産総研 - 暇つぶし2ch1:sin+sinφ ★
12/11/30 22:26:18.55
カーボンナノチューブとリポソームからなる分子伝送システム「ナノ電車」
-分子を最短ルートで運び、目的位置で降ろす-

○概要
光によって発熱可能なカーボンナノチューブ(CNT)と特定の温度で内包分子を放出する温度感受性リポソームを組み合せて、
電圧をかけることによって目的位置まで正確に分子を運び、レーザー光照射によって分子を放出できる分子複合体(ナノ電車)を開発した。
また、開発したナノ電車を用いると、酵素反応の開始を遠隔制御できる。

今回の開発により、病気の発生・進行を未然に防ぐ予防医療のための高性能なマイクロ流体デバイスの開発に貢献することが期待される。

なお、この技術の詳細は、英国の科学誌Nature Communicationsに2012年11月28日(日本時間)にオンライン掲載される。

イメージ:CNTとリポソームを複合したナノ電車による分子伝送システム
URLリンク(www.aist.go.jp)

○研究の内容
CNTとリポソームからなる生体機能を模倣した高性能な分子伝送システムを開発した(図1(a))。
CNTは、そのまま水中に分散させようとすると、強い分子間の相互作用により、束状、粒状に凝集してしまう。
CNTの光発熱特性を最大限に利用するためには、この凝集状態を解消し、CNTを水中に分子レベルで分散させる必要がある。
今回、アビジン、ポリエチレングリコール(PEG)、リン脂質(PL)からなる分子(アビジン-PEG-PL)を単層CNT(SWCNT)の表面にコーティングさせることで水中へ分散させた。
一方、リポソームに温度感受性(42 ℃付近で構造変化)を与えるため、各種リン脂質とコレステロールの配合量を調整のうえ、
ビオチンと蛍光分子(ニトロベンゾオキサジアゾール(NBD))を表面に結合させた。
そして、アビジンとビオチンの結合を利用した自己組織化によりCNTとリポソームからなる分子複合体(ナノ電車)を作製した。
この分子複合体は、NBDによって緑色蛍光を有する粒子状会合体であるが(図1(b))、図1(a)のような
CNTの表面にいくつかのリポソームが結合した構造を形成することがわかった(図1(c))。
なお、CNTとリポソームからなる当該分子複合体は、電気エネルギーによって乗客となる分子を最短ルートで運び、
目的位置で降ろすことが可能であるため、今回、この分子複合体のことをナノスケールの電車にたとえて「ナノ電車」と命名した。

図1 CNT-リポソーム分子複合体(ナノ電車)の構造解析
(a) ナノ電車の概念図、(b) 蛍光顕微鏡写真、(c) 透過型電子顕微鏡写真
URLリンク(www.aist.go.jp)

作製したナノ電車をポリジメチルシロキサン(PDMS)とガラス基板からなる直線状のマイクロ流体デバイス(幅100 μm、深さ50 μm)のスタート地点に入れ、
電圧を加えてナノ電車の運動機能を解析した(図2(a))。
電圧をかけるとマイナス電荷をもつ分子複合体はマイナス極からプラス極に向かって最高速度約700 μm/sで進むことがわかった(図2(b))。
さらに、迷路状のマイクロ流体デバイスのスタート地点に入れ、電圧をかけたところ、
電位勾配に従い、スタートからゴール地点に向かって最短ルートで進むことを発見した(図2(c)、(d))。

図2 ナノ電車の運動解析
(a)ナノ電車の速度解析のための実験装置、(b)速度解析結果、
(c)迷路状マイクロ流体デバイスの仕様(緑:最短ルート、ピンク:最長ルート、黒いピン部分:最短ルートではないがゴールになり得る出口
注意:ナノ電車は、図中の白抜きの部分ではなく線上を動く)、(d)ナノ電車による最短ルートでの迷路解読(この場合は1分30秒でゴールに到達した)
URLリンク(www.aist.go.jp)

ソース:カーボンナノチューブとリポソームからなる分子伝送システム「ナノ電車」 /独立行政法人 産業技術総合研究所
URLリンク(www.aist.go.jp)

(続きます)


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