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東日本大震災後、宮城県内の胃や十二指腸の消化性潰瘍の患者のうち、ストレスだけが原因で発症したと
みられる割合が、震災前の13%から24%に増えたことが、東北大学病院の研究グループの調査でわかった。
同グループの飯島克則講師は「戦争などのストレスで潰瘍患者が増えることは知られていたが、
ストレス単独で潰瘍が発症することが分かったのは初めて」としている。調査結果は消化器病専門誌
「ジャーナル・オブ・ガストロエンテロロジー」(電子版)に掲載される。
同病院や石巻赤十字病院など県内7病院で、震災前後の潰瘍患者を比較した。潰瘍はピロリ菌感染か
アスピリンなどの薬剤服用が原因とされる。しかし調査結果では、潰瘍患者数が10年の261人から震災後は
383人に増加したうえ、ピロリ菌感染も薬剤服用もない患者の割合が、13%から24%に増えた。
これらの患者はこれまで「原因不明」とされていたが、研究グループは「被災という極度のストレスに
さらされたため、菌感染などにかかわらず発症が増えたと考えられる」とし、心因性ストレスによる発症と結論づけた。
発症のピークは震災10日後だった。患者の年齢別では、血流の悪い65歳以上の患者の割合が、震災前の
16%から30%に増えた。
飯島講師によると、阪神大震災(95年)後も潰瘍患者は増えたが、ほとんどがピロリ菌感染者だった。
これまでは感染者がストレスを受けて潰瘍が増えると考えられていたという。飯島講師は「特に高齢者が顕著に増加
していた。災害に備え、重症化を防ぐ胃酸抑制剤などを事前に確保しておくことが必要」と提案している。【山越峰一郎】
▽記事引用元 毎日新聞(2012年10月05日 22時08分)
URLリンク(mainichi.jp)
▽東北大学プレスリリース
URLリンク(www.tohoku.ac.jp)
▽Journal of Gastroenterology
「Peptic ulcers after the Great East Japan earthquake and tsunami: possible existence of psychosocial stress ulcers in humans」
URLリンク(link.springer.com)