12/06/23 00:15:36.92
ドイツの研究チームがこのほど、脊椎動物では初の例となる交尾中のつがいのカメの化石を発見したと発表した。
化石における史上初の発見の興奮と共に、もう1つの謎についても解明が進みそうだ。4700万年前のカメの化石は、
先史時代の湖が世界有数の化石の宝庫になった経緯についても、手がかりを与えてくれている。
「つがいの化石だけでも、世界に類を見ない発見だ」と、研究を率いたウォルター・ジョイス
(Walter Joyce)氏は語っている。「このような姿で発掘された脊椎動物の化石は他に例がない」。
このカメのつがいの化石が見つかったのは、ドイツのメッセル・ピットと呼ばれる場所だ。ここはかつて
熱帯の湖だったが、現在は“ラーゲルシュテッテン”(非常に保存状態の良い化石が出土する場所を意味する
古生物学の専門用語)となっていると、コロンビア大学のマーク・ノレル(Mark Norell)氏は説明している。
この先史時代の湖では、多数の動物が何らかの理由で死に至り、その死骸が火山性の堆積物の中に保存された。
この堆積物はその後、はるか昔にオイルシェール(湯母頁岩)となったが、この場所から発掘されたカメの一種
(学名:Allaeochelys crassesculpta)について、交尾中と疑われる化石が過去30年間に9組見つかっていた。
今回の研究では、こうしたつがいの化石を初めて本格的に分析し、これらの化石はすべて、確かにオスと
メスの組み合わせであるとの最終結論に至った。オスが約20%ほどメスよりも小さく、尾が長いという特徴も、
分析の根拠となった。さらに有力な手がかりとして、2組のつがいでは2匹の尾が交尾の際にとられる位置に
なっていることも研究チームは突き止めた。
(本文>>2以降に続く)
▽画像
化石化した交尾中の古代のカメ(学名:Allaeochelys crassesculpta)。オス(左)の方がメスより小さいという特徴も手伝って、交尾中であることが判明した。
URLリンク(www.nationalgeographic.co.jp)
▽記事引用元 National Geographic News(June 22, 2012)
URLリンク(www.nationalgeographic.co.jp)
▽Biology Letters
「Caught in the act: the first record of copulating fossil vertebrates」
URLリンク(rsbl.royalsocietypublishing.org)