12/05/31 14:41:25.58
細胞内のタンパク質のフォールディング(立体構造形成)を再現することに成功
-分子シャペロンタンパク質の効果を網羅的に評価することで高機能タンパク質生産への道を開拓-
【要点】
○細胞内でタンパク質のフォールディング(立体構造形成)を助ける「分子シャペロン」というタンパク質の効果を網羅的かつ定量的に評価。
○水に溶けにくくて取り扱いが困難なタンパク質の応用研究に道を拓く。
【概要】
東京工業大学大学院生命理工学研究科の田口英樹教授と丹羽達也助教、
東京大学大学院新領域創成科学研究科の上田卓也教授らは、細胞内でタンパク質の
フォールディング(立体構造形成)を助ける「分子シャペロン」というタンパク質の効果を
網羅的に調べ、細胞内でシャペロンが助けるタンパク質のフォールディングの全体像を
試験管内で再現しました。
上田教授らが開発した特殊な試験管内タンパク質合成手法(PUREシステム)を利用することで、
約800種類もの水に溶けにくいタンパク質のほとんどが2種類のシャペロンのどちらかによって
溶けるようになること、3種のシャペロンを同時に作用させるとほぼ全ての溶けにくいタンパク質が
溶けるようになることが明らかとなりました。
この実験から得られた大規模データセットは、細胞の中で働くシャペロンタンパク質の作用機構の
解明だけでなく、扱いが困難だったタンパク質を扱いやすくする手法の開発にも繋がり、
バイオ医薬品開発などにおけるタンパク質の応用利用などにも貢献しうるものです。
この成果は、「米国科学アカデミー紀要」のオンライン速報版で
2012年5月21日(米国東部時間)の週に公開されます。
(引用ここまで 全文は記事引用元をご覧ください)
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▽記事引用元 東京大学大学院新領域創成科学研究科
URLリンク(www.k.u-tokyo.ac.jp)
▽関連リンク
PNAS
Global Analysis of Chaperone Effects Using a Reconstituted Cell-Free Translation System
URLリンク(www.pnas.org)