12/02/27 19:12:40.08 BE:970744493-2BP(1056)
N 極・S 極だけをもつ磁石・磁気モノポールの発見
首都大学東京大学院理工学研究科 多々良源准教授と竹内祥人研究員
首都大学東京大学院理工学研究科 准教授 多々良源と日本学術振興会特別研究員 竹内祥人は、
N 極または S 極だけをもつ磁石(磁気モノポール)を、普通の磁石と白金を組み合わせた簡単な
構造で作ることができることを理論的に示しました。
モノポールを磁石と白金の接合という簡単な構造で作ることができれば、
情報機器中で N 極だけをもつ磁石を作ることが可能になり、資源の埋蔵に問題のある
レアアース金属を利用せずに高密度デバイスを作成できる可能性があります。
またモノポールを操作し流れを作れば、磁場と電場を対等に操作することができるようになり、
これまでの動作原理を超えた新しい情報伝達や情報記録が可能になると期待されます。
自然界の磁石はすべて N 極と S 極からできており、それらを分離して N 極または S 極だけからなる
モノポールを作ることは通常不可能と考えられています。
ただし理論的には、モノポールの存在の可能性があることが 1931 年に Dirac1)により指摘されていました。
その後の研究により、モノポ ールは宇宙のビッグバンによる生成の直後(約 0.1 ナノ秒後 2))につくられた
可能性が明らかにさ れています 3)が、これまで行われた大規模な観測では
宇宙初期のモノポールは見つかっていません。
今回多々良、竹内は、物質中では対称性の法則が真空や空気中と異なることに着目し、
宇宙初期のような超高エネルギーを用いなくてもモノポールの生成が可能であることを示しました。
この際鍵となるのが白金のもつ強い量子力学及び相対性理論に基づく効果で、
これが普通の磁石を構成しているスピン 4)の運動を電子の運動に変換するはたらきをしています。
このために磁石の向きを変化させると電子の運動がおき、このときにモノポールがつくられます。
つまり白金のもつ相対論効果は、スピンの住む世界と電子や電荷の住む世界をつなぐ役割を果たしており、
これによりモノポールの生成が起きます。
この成果は、日本物理学会が発行する英文誌 Journal of the Physical Society of Japan (JPSJ)の
2012 年 3 月号に注目論文(Editors' Choice)として掲載される予定です。
首都大学東京
URLリンク(www.tmu.ac.jp)
Journal of the Physical Society of Japan
URLリンク(jpsj.ipap.jp)