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【専門記者が振り返る】車載用Liイオン2次電池この1年
―EVからHEVやPHEVへ採用拡大、電極材料も多様化
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トヨタ自動車の「プリウスPHV」に搭載された三洋電機製のLiイオン2次電池
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三菱自動車やホンダのEVに採用された東芝製のLiイオン2次電池。写真は「i-MiEV M」に
搭載しているもの
トヨタ自動車やホンダもLiイオン2次電池(LIB)の採用を開始―。2011年はLiイオン2次
電池の車載用途への採用が本格化した年といえるだろう。車載用LIBは、2010年から三菱
自動車の「i-MiEV」や日産自動車の「リーフ」といった電気自動車(EV)を皮切りに採用が
始まった。このうち、i-MiEVは三菱自動車とGSユアサ、三菱商事との合弁会社であるリチウム
エナジージャパン(LEJ)製を、リーフはNECとの合弁会社であるオートモーティブエナジーサプライ
(AESC)製を用いている(関連記事)。
2010年11月には日産自動車の「フーガ ハイブリッド」(関連記事)、2011年4月にはホンダの
「シビック ハイブリッド」(日本未発売、関連記事)、翌月の5月にはトヨタ自動車の「プリウスα」
(関連記事)、といったハイブリッド車(HEV)にLiイオン2次電池を採用した。フーガ ハイブリッドは
AESC製を(関連記事)、CIVIC HybridはホンダとGSユアサとの合弁会社であるブルーエナジー
製を(関連記事)、プリウスαはプライムアースEVエナジー(PEVE)製を搭載している(関連記事)。
これら3社のLiイオン2次電池は正極材がそれぞれ違う。AESCはマンガン酸リチウム(LiMn2O4)を
ベースにNi系リチウム酸化物を混ぜている(関連記事)。ブルーエナジーはNiとCo、Mnを混合した、
いわゆる3元系を用いる。PEVEはNiとCo、Alを混合した、いわゆるNCA系を採用した(関連記事)。
さらに、三菱自動車は2011年7月発売の「i-MiEV M」(関連記事)と、同年11月発売の「MINI
CAB-MiEV」の低価格版「CD10.5kWh」(関連記事)で東芝製のLiイオン2次電池を搭載した。
東芝のLiイオン2次電池は負極材にチタン酸リチウム(Li4Ti5O12)を用いているのが特徴である
(関連記事)。
同年11月末にはトヨタ自動車がプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)「プリウスPHV」を2012年1月末
から販売することを発表した(関連記事)。Liイオン2次電池は三洋電機製で、正極材に三元系を
ベースにしたものを用いているという。トヨタ自動車では2012年に発売予定の小型EVにもプリウス
PHVと同じ三洋電機製のセルを採用するとしている(関連記事)。
この他、ホンダは2012年夏ごろ日米で発売予定のEV「フィットEV」に東芝製のLiイオン2次電池を
(関連記事)、2012年発売予定の2モータ方式のPHEVにブルーエナジー製のものを採用する計画
である(関連記事)。PHEV向けのLiイオン2次電池は新開発した大型セルを採用する予定で、
正極材にリン酸鉄リチウム(LiFePO4)を用いるのが特徴である(関連記事)。
このように採用が決まった車載用Liイオン2次電池を見ると、電極材料が多様化し始めているのが
分かる。ただ、正極材はLiMn2O4と3元系、NCA系、LiFePO4とバラバラだが、LiFePO4以外はベース
材料が異なるものの、各社とも似た組成の材料を混ぜているため、性能的には同じレベルのものに
仕上がっていくと予測される。LiFePO4については電圧が低いことから、これまで日本の自動車メーカー
の採用実績はなかったが、ホンダが耐久性や出力特性の面からPHEVに採用することを表明しており、
今後の動向が注目されている。
一方、負極材についてはグラファイト(黒鉛)が主流であるものの、HEVの一部ではハード・カーボンの
採用が始まっていることや、EVでLi4Ti5O12を利用する動きがあるなど、こちらも候補は一つに絞られて
いない状況である。
狩集 浩志/日経エレクトロニクス 2011/12/22 16:00
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