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全米の女子大学生５人に１人が「性的暴行を受けた」と回答 隠れた性被害の実態明らかに
米国社会の深刻な性被害の実態がまた１つ明らかになった。米紙ワシントン・ポスト（ＷＰ）とＮＰＯ「カイザー・ファミリー・ファンデーション」が全米の大学生や卒業生を対象に行った世論調査によると、
在学中に性的暴行を受けた女子生徒が５人に１人に上ることがわかった。さらに、暴行者は７０％が顔見知り以上の関係であり、アルコールを摂取していたときに被害にあっていた割合も高いことがわかった。
ＷＰ紙は「止めてと言ったのに、彼は私のジョークと考えた。私は凍り付いた」など被害者の生々しい証言を掲載、対策の重要性を訴えている。
大学での性的暴行は１９８０年代から長らく「隠された問題」として表面化してこなかった。しかし、数々の調査で実態が明らかになりはじめ、オバマ政権は昨年「１人ではない」と題する対策報告書を発表。
大学側へ被害者対策や生徒に対して性的暴行に関する研修を行うよう促したが、ＷＰ紙は今回の調査で「被害はほとんどが発覚せず、暴行を止める大学側の対策の難しさを浮き彫りにした」と指摘している。
調査は今年１月から３月まで全米５００の大学を対象に１７～２６歳までの現役大学生や卒業生１０５３人に実施。ＷＰ紙はさらに、追跡調査も行った。
「性的暴行を受けたことがあるか」との問いでは、２０％の女性が「ある」と回答、さらに男性も５％が「ある」と答えた。
さらに女性の被害者に聞いたところ、「加害者を良く知っている」は２２％、「まあまあ知っている」が２５％、「顔見知り程度」が２３％で、ほとんどが７０％が何らかの交友関係があったこともわかった。
さらに、女性の被害者のうち６２％が「飲酒していた」と回答し、アルコールの摂取が性的暴行と深く関わっていることが明らかになった。ＷＰ紙は「潜在的なリスク要因」として男女学生が集まるパーティーでの飲酒があげ、
性被害とアルコールの関連性を説明している。
さらに女性の被害者のうち、２７％が「誰にも打ち明けていない」と回答。誰かに性的暴行を受けたことを打ち明けたものの、５９％が警察や大学当局に申告せず、「泣き寝入り」している実態も浮き彫りになった。立件されたり、
大学を除籍されるなどしたケースは１０％ほどいた。
ＷＰ紙はさらに数十人に追跡調査を行い、被害者が痛みや苦悩を抱えたままでいる実態を浮き彫りにした。
南西部の公立大学に通う２１歳の女子生徒は、ある男子生徒にナイトクラブに誘われた際に被害にあった。
「突然、頭がくらくらして、友達がいた場所から引き離された。誰かがお酒の中にドラッグを入れたのだと思う」
さらに、「朝起きると、くちびるが腫れ上がっていた。泣いて泣いて泣きまくったことを覚えている」と赤裸々に語った。
しかし、この女子生徒は男子生徒の将来を壊すのではないかと考えたり、他の悪いことが起こるかもしれないと懸念したりし、事件を警察や大学当局に訴えることはしなかった。
「私の身に起こったことをもう誰にも味わって欲しくない」
女子生徒はＷＰ紙のインタビューに応じた理由をこう話した。
ＷＰ紙には他にも被害者のこんな証言が掲載されている。
「私はやめてほしいと思っていたのに、彼は私は受け入れていると思い込んでいた。卒業しても彼はメッセージをくれるが、自分が行ったことが間違いだったと悟ってほしい」（ノースカロライナ州の大学の女子生徒）
「寮の部屋で飲んでいたときに彼女が突然、近寄ってきた僕の膝の上に座った。明らかに断ることができないぎこちなさがあった。彼女にそのことを伝えたが、彼女が抵抗した」（マサチューセッツ工科大学の男子学生）
「私は男性との関係に積極的ではなく、古いタイプだった。彼は私にいいかどうかを質問することもなかった。私の方から拒絶したのに、彼はまったく聞いてくれなかった」（ノーザンアリゾナ大学の女子学生）
産経新聞
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