14/10/12 12:42:26.87
(>>1の続き)
親愛なる兄弟姉妹の皆さん、私は誰も敵だとは思っていません。ましてや、タリバンその他のテロ集団に対する個人的な復讐
(ふくしゅう)心もありません。私はあらゆる子どもの教育を受ける権利を訴えているのです。タリバンやすべてのテロリスト、過激派の
子どもたちにも教育を受けてほしいと思っています。
私を撃ったタリバン兵さえ憎んでいません。銃を持つ私の目前に彼が立っていたとしても、私は撃たないでしょう。それこそ私が
慈悲深い預言者ムハンマド、イエス・キリスト、そしてお釈迦(しゃか)様から学んだ思いやりの心です。それこそ私がマーチン・
ルーサー・キング、ネルソン・マンデラ、ムハンマド・アリ・ジンナーから受け継いだ変革の伝統です。それこそ私がガンジー、
バシャ・カーン、マザー・テレサから学んだ非暴力の哲学です。そしてそれこそ、私が父と母から学んだ寛容の心です。私の魂からも
「平和を愛し、万人を愛しなさい」という声が聞こえてきます。
◆女性が自ら立ち上がり闘うことが大事
親愛なる兄弟姉妹の皆さん、光の大切さがわかるのは、暗闇に閉ざされた時です。声の大切さがわかるのは、沈黙を強いられた
時です。私たちは同じように、パキスタン北部スワトで銃を目にした時、ペンと本の大切さに気づいたのです。
「ペンは剣よりも強し」ということわざは本当でした。過激派が昔も今も恐れているのは、本とペンです。教育の力は彼らにとって脅威
なのです。彼らは女性も恐れています。女性の声が持つ力が恐怖なのです。だからこそ彼らは最近、クエッタの攻撃で罪のない学生を
十四人も殺したのです。だからこそ彼らは、カイバル・パクトゥンクワ州で多くの女性教師とポリオ撲滅の活動家を殺したのです。
彼らが日ごとに学校を爆破しているのも同じ理由です。それは彼らが昔も今も、変化を恐れ、私たちが社会に持ち込む平等を恐れて
いるからです。
ジャーナリストが私の学校の男の子に「タリバンはなぜ教育に反対しているのか」と尋ねたことがありました。男の子の答えは単刀直入
でした。本を指さして「タリバン兵はこの本に何が書いてあるか知らないからだ」と言ったのです。彼らは神のことを、学校に通っているから
という理由だけで少女たちを地獄に落とすような、狭小な保守主義者だと信じています。テロリストたちはイスラムとパシュトゥンの名を
かたり、自分たちの個人的な利益を求めているだけなのです。パキスタンは平和を愛する民主主義国家です。パシュトゥン人は娘や
息子たちの教育を望んでいます。そしてイスラムは、平和、人道、同胞愛を説く宗教です。イスラムの教えによれば、教育を受けるのは
子どもの権利であるだけでなく、その義務と責任でもあるのです。
事務総長殿、教育には平和が必要です。パキスタンやアフガニスタンをはじめ、世界各地ではテロや戦争、紛争によって子どもたちが
学校に通えなくなっています。こんな戦争はもうたくさんです。女性と子どもは世界各地で、さまざまな苦しみを抱えています。インドでは、
罪のない貧しい子どもたちが児童労働の犠牲になっています。ナイジェリアでは多くの学校が破壊されました。アフガニスタンの人々は
数十年間にわたり、過激主義に苦しめられてきました。幼い女の子たちが家事労働に使われ早婚を強いられています。貧困、無知、
不正、人種主義、そして基本的権利の剥奪は男性にとっても女性にとっても重大な問題です。
親愛なる仲間の皆さん、私はきょう、女性の権利と女児の権利を中心にお話ししています。それは女性が最も大きな苦しみを抱えている
からです。女性の社会活動家たちはかつて、女性の権利のために立ち上がるよう男性に求めていました。しかし今度は、私たちが自ら
立ち上がる番です。男性に女性の権利の代弁をやめるよう求めているのではありません。女性が独立し、自力で闘うことが大事だと
言っているのです。
(さらに続きます)