14/08/07 23:15:04.14
ソース(ロイター) URLリンク(jp.reuters.com)
貧困、内戦、そして今度は死に至る伝染病──。国連の人間開発指数などで下位に位置し、世界最貧国グループに属する
シエラレオネ、リベリア、ギニアは、今回のエボラ出血熱が流行する前は、悲惨な内戦の影から抜け出し、アフリカの経済成長に
乗る兆しを見せていた。
死者数900人以上と過去最悪の感染規模となったエボラ熱は、資源に依存する西アフリカ3カ国の経済に打撃を与えている。
当局者らによれば、エボラ流行は地域の旅行業を直撃するのみならず、人や物の往来が減り、農業と鉱業も停滞を余儀なくされ、
海外からの投資拡大に支えられていた国内総生産(GDP)の伸びにもボディブローのように効き始めているという。
世界銀行でアフリカ地域総局の副総裁を務めるマクタール・ディオップ氏は「これら3カ国に共通する特徴は、いずれもぜい弱な
国家ということだ」と指摘。「つまり、通常時でも国際社会からのサポートを必要としており、今回の危機で一段と追い込まれている」
と語った。
リベリアのアマラ・コネー財務相はロイターに対し、エボラ熱はすでに、4─6月の同国経済に1200万ドル(約12億円)の打撃を
与えたと説明。国家予算の2%に相当する経済損失であり、従来5.9%としていたGDP伸び率予想を下方修正せざるを得ないと
述べた。
同相は「われわれは今回の危機対応に奔走している。もし封じ込めができなければ、国家経済に深刻な影響をもたらす」と危機感
を募らせる。
1989─2003年の内戦の傷跡がまだ残るリベリアの首都モンロビアでは、エボラ感染者の遺族らが政府当局の指示を無視し、
遺体を路上に放置する問題も持ち上がっている。
一方、シエラレオネのサムラ・カマラ外相は、エボラ対策に回せる予算はほとんどないと厳しい財政状況を吐露。ワシントンを
訪問中の同相はロイターの取材に「資源やエネルギーを(エボラ対策に)回さなくてはならない。降ってわいた病気と闘うために、
経済発展の他の側面が犠牲になっている」と語った。
世界銀行と国際通貨基金(IMF)は、今回のエボラ熱の発生源となったギニアについて、GDP成長率予想を4.5%から3.5%に
引き下げた。世界銀行とアフリカ開発銀行は、リベリア、ギニア、シエラレオネに合計2億6000万ドルの支援を行うと発表している。
エボラ熱による死者はナイジェリアでも報告されており、アフリカ最大の人口を抱える一大石油産出国である同国経済に対する
影響も懸念が膨らんでいる。
(>>2以降に続く)