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国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産委員会は21日、南米6か国にまたがる古代インカの道
「カパック・ニャン(Qhapaq Nan)」を世界遺産に登録した。
同委員会は、中東カタールのドーハ(Doha)で審議が行われている。
数世紀にわたってインカ帝国により建設された全長3万キロにわたるカパック・ニャンは、
アルゼンチン、ボリビア、チリ、コロンビア、エクアドル、ペルーの6か国にかかる壮大な道路網だ。
カパック・ニャンの世界遺産への登録申請は、これら南米6か国によって共同で行われた。
6か国はその維持と復元でも協力を約束している。
世界遺産への登録は今後、経済的に大きな恩恵をもたらすことになる。
保全資金の援助対象となるほか、観光客の誘致にも役立つためだ。
15世紀に最盛期を迎えたカパック・ニャンは、広大な国土を誇ったインカ帝国の首都クスコ(Cusco、現在のペルーに位置)と
その周縁部を結んでいた。
数千年前に建設が始まり、貿易商や旅行者、使者、軍隊など、インカ帝国の約4万人に利用された。
そして、1526年に到着したスペイン人による大陸の探査および征服でも使われることになる。
この度の世界遺産認定を受け、ペルーの考古学者フェルナンド・アステテ(Fernando Astete)氏は
「大部分が草木に覆われていて、まだ道全体を見ることはできない。遺産としての重要性を考えると、復元されるべきだ」
とコメントしている。(c)AFP
写真
南米6か国を通過する古代インカの道「カパック・ニャン(Qhapaq Nan)」。ペルー、シエネギージャ(Cieneguilla)の古代遺跡付近で撮影
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