13/05/25 12:01:57.53
【ロンドン=石川保典】
スウェーデンの首都ストックホルム郊外で、移民の若者たちによる放火や破壊行為などの暴動が
24日までに5夜連続で起きた。移民を積極的に受け入れる「寛容政策」で知られるスウェーデンは、
欧州の多文化主義のモデルとされるが、移民の高い失業率や差別への不満を背景に暴動が頻発。
国民の反移民感情も高まり、ひずみが露呈している。
暴動のきっかけは、移民が多く住む地区で、男性(69)宅に押し入った警察官が刃物で抵抗した男性を
射殺したことへの抗議。若者らが十九日夜、警察署に投石したり、百台以上の車に放火したりした。
暴動は飛び火し、少なくとも首都の九カ所で車や警察署、学校、レストランなどが放火、破壊された。
英紙タイムズによると、最初に暴動が起きた地区は、人口約一万二千人の85%を移民が占め、イスラム教徒が大半。
警察に執拗(しつよう)に職務質問を受けたり、侮辱されたりすることへの不満が移民にあるとされ、
若者団体の代表は暴動を「社会に広がる人種差別と排斥への正当な反応だ」と地元メディアに語った。
労働力として半世紀以上前から移民を受け入れてきた同国は、人口約九百五十万人の15%が移民。
一九八〇年代以降は難民も多く、近年はイラクやアフガニスタン、シリア、ソマリアなどから大量に押し寄せている。
政府は住居提供などの手厚い福祉や語学教室、参政権付与などを通じ社会への「統合」を進めてきた。
ただ近年は暴動が相次ぐ。二〇〇八年には南部のイスラム教徒が多い町で、警察が施設にいた人を
排除したことが暴動に発展。一〇年には若者らがストックホルムで学校のダンスイベント入場を拒否され、暴徒化した。
差別的な扱いや、16%と高い移民の失業率(若者は39%)から来る不平が暴動に転化しているとみられる。
国民にも不満が膨らむ。移民排斥を訴える極右の民主党が、一〇年に二十議席を獲得して初めて議会に進出。
最近では支持率が一時、三位になった。
欧州の移民政策に詳しいロンドンのシンクタンク「戦略対話研究所」のラマリンガム氏は
「スウェーデンは欧州の寛容政策の要とみられてきたが人種問題が水面下に隠され、政治家は議論を避けてきた。
イスラムの若者たちとの関係に苦労してきた英仏の歴史に学ぶべきだ」と話している。
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
【スウェーデン】ストックホルム郊外で若者が連夜の暴動 失業への不満が爆発か[13/05/23]
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