12/10/11 17:12:46.48
あらゆる種類の細胞に変化できるiPS細胞(新型万能細胞)から作製した心筋細胞を使い、
世界で初めて臨床応用した米ハーバード大学の森口尚史(ひさし)客員講師(48)は10日、
この画期的な治療法を学会発表するため訪れたニューヨーク市内で本紙のインタビューに
応じた。
「患者さんは死の間際にある人たち。これしかなかった。この移植は確立したばかりの技術だが、
患者さんの利益を考え、医者として前に進まなければならないこともある」と細胞移植を決断した
心境を語った。
森口氏によると、この男性患者(34)は、かつて肝臓移植を受けたうえ、重症心不全や
糖尿病を発症し、他の治療法がなくなった。
そこで、患者の肝臓から採取した細胞からiPS細胞をつくり、培養で大量の心筋細胞にして
心臓に注入した。この心筋細胞は患者の心筋と同等の機能をもつことを事前に確かめた。
培養は約45日でできた。
この治療に関係する研究費用は約1億5000万円。起業投資家から集めた。
森口氏は、「日本では税金が使われるから、成果を上げなければならないが、こちらでは
投資家がリスクをとってくれる」「日本では、いろいろな規制があって実施できなかっただろう」
と、新しい医療技術に対する日米の制度の違いを指摘。
研究者側についても、「日本にも優秀でやる気のある人はいるが、結集しにくい。懸命に働き、
本気で声を上げなければいけない」と述べた。
森口氏は成功の背景として、「少人数の機動的な研究チーム」の結成を挙げた。
同大やマサチューセッツ工科大で機械工学を学ぶ大学院生ら5人ほどが積極的に研究に参加し、
心筋細胞の増殖に必要な「過冷却」技術を提供したうえ、この治療に関係する研究費用の調達を
一手に担った。
ソースは
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
10日、ニューヨーク市内で読売新聞のインタビューに応じる森口氏
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
これに先立つニュース
2012年10月11日 
iPS心筋移植、ハーバード大で…初の臨床応用
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
あらゆる種類の細胞に変化できるiPS細胞(新型万能細胞)から心筋の細胞を作り、
重症の心不全患者に細胞移植する治療を米ハーバード大学の日本人研究者らが6人の
患者に実施したことが、10日わかった。
iPS細胞を利用した世界初の臨床応用例で、最初の患者は退院し、約8か月たった現
在も元気だという。
ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった京都大の山中伸弥教授がマウスでiPS細胞を
作製してから6年、夢の治療として世界がしのぎを削る臨床応用への動きが予想以上に
早く進んでいる実態が浮き彫りになった。
iPS細胞を利用した心筋の細胞移植を行ったのは、ハーバード大の森口尚史(ひさし)
客員講師ら。森口講師は、肝臓がん治療や再生医療の研究をしており、
東京大学客員研究員も務める。現地時間10、11日に米国で開かれる国際会議で
発表するほか、科学誌ネイチャー・プロトコルズ電子版で近く手法を論文発表する。
今回の治療に使用された心筋細胞
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)
-以上です-