13/10/14 21:00:23.68
オンラインゲームやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の利用が広まる中、
インターネットに長時間没頭する「ネット依存」が問題になっている。パソコンの前から
離れられず、日常生活の昼夜が逆転、やがて学校や会社に行けなくなり-。
国立病院機構久里浜医療センター(横須賀市野比)の専門医は
「本人の心身に影響を及ぼすだけでなく、社会的損失も大きい」と警鐘を鳴らす。
久里浜医療センターの中山秀紀医師(40)は感心したように嘆息する。
「最近のゲームは本当によくできていましてね」
パソコンを使ったオンラインゲームの発展にネット依存の一因をみている。
専門外来の開設から2年余りで約170人の患者が訪れたが、ほとんどがオンラインゲームに
のめり込んでいた子どもたちだ。「大半が中学生から大学生までの若年層。10代だけで
半数を超え、20代を含めると9割を占める」という。
人気があるのは多人数が同時に参加できるタイプのものだ。ネットを通じて知り合った
プレーヤー同士でチームを組み、協力して敵を倒す。
「自分一人だけやめるわけにいかない。妙な責任感と信頼感、連帯感が生まれる」。
一度始めたらやめにくい仕組み。しかもみんながやっているから、のめり込んでいるおかしさに気付きにくい。
センターに治療にやってくる子どもからは、ある傾向が浮かび上がってくるという。
「勉強ができる子、とくに進学校に通っている子どもが典型的だ」
どういうことか。中山医師が続ける。「ネットの世界の方が、現実社会より成功体験を得やすい
ということがあるかもしれない。例えば勉強でつまずき、学校の中で自分の存在意義を見失い、
居場所がなくなる。それがネットゲームの世界ではすごいことができて、チームの中で称賛される。
これが悪循環の始まり。ますます勉強しなくなり、成績が落ち、居心地のいいネットの世界に現実逃避していく」
■難しい自覚
ネット依存に陥るとどうなるのか。
生活サイクルの昼夜逆転によって学校に通えなくなり、家に引きこもりがちになるだけではない。
睡眠障害やうつ症状といった精神面のトラブルを招く。食事を取らなくなり低栄養、
視力や筋力の低下、骨粗しょう症といった身体的な症状もきたすようになる。
ネットが急速に普及した韓国では、2002年ごろからオンラインゲームを
やり続けたまま脳血栓や心不全などで急死するケースも相次いだ。
あらゆる依存症は本人が自覚を持つことが抜け出す第一歩になるが、その自覚が難しいのも特徴だ。
アルコール依存症なら酔いや体がむしばまれるといった自覚症状がある。ネット依存は
直接の症状を感じにくい。ましてや子どもであれば、解決策を自分で考えつくことは難しく、深刻化していく。
ゲームを取り上げるのも逆効果。ゲームがあることで精神的に安定している面があり、
取り上げれば不安になる。暴言や暴力で親に当たるようにもなる。
■未知の世界
中高生51万人、成人271万人-。厚生労働省の研究班が発表した全国でネット依存が疑われている人の推計値だ。
あくまで推計値。中山医師は「研究が始まったばかりで実態は把握し切れていない。
ただ、年々増加していることは間違いない」と話す。理由に挙げるのが、ここ数年で急速に普及したスマートフォンの存在だ。
(>>2へつづく)
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