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大人気ゲーム「グランド・セフト・オート(Grand Theft Auto)」シリーズの最新作は、発売日に世界中で爆発的な売り上げを記録した。
だが同ゲームが、巨大ゲーム市場を持つここ日本で大ヒットする可能性は低いだろう。
海外の銃撃戦系のアクションゲームは日本市場で苦戦することが多い。
日本の巨大ゲーム市場ではファンタジー風のゲームが─これらのゲームタイトルの多くを欧米の人々は
聞いたことがないだろうが─数百万本単位のヒットを飛ばしているのだ。
それらのゲームの1つに、10年前のデビュー以来2300万本の売上を記録している大人気ゲーム
「モンスターハンター」シリーズがある。同ゲームを製作したカプコンの広報担当者は、
「英語版も出しているのですが、ほとんどは日本で売れています」と語っている。
■二分化する日本のゲームメーカー
外国のゲームメーカーが日本で苦戦する原因として挙げられるのは、言葉の問題や文化の違いなどだ。
前週、4日間の日程で開催された「東京ゲームショウ2013」では、600タイトル以上のゲームが出展された。
かつてスーパーマリオブラザーズやソニック・ザ・ヘッジホッグなどのタイトルで世界市場を席巻した日本だが、
最近はどんどん内向きになってきているようだ。
各国消費動向を分析するアジアトレンドマップによると、日本のゲーム市場は二分化が進んでいる。
ポケットモンスターやファイナルファンタジー、バイオハザードなどのような世界的大ヒットを飛ばすゲームと、
日本国内市場専用のゲームだ。日本のゲーム市場は、国産ゲームが圧倒的な強さを持っているという。
■国内向けゲームが人気の日本のゲーム市場
人気漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」のキャラクターを使ったゲームのヒットが示すように、
日本のゲームの多くはアニメや映画、音楽、テレビ番組などの人気キャラクターを中心に制作されている。
たとえば、バンダイナムコゲームスの人気恋愛シミュレーションゲーム「AKB1/149 恋愛総選挙」は、
外国ではほとんど知られていないヒット作だ。AKB48は日本では大人気のアイドルグループだが、
広報課の本多俊明氏は「海外には向かないですね」と語る。
また、ソーシャルゲーム大手グリーの荒木英士氏は、ゲームショーの講演で
「USで好まれるキャラクターやビジュアルは違うということを学びました」と発言している。
■携帯ゲーム機と据え置きゲーム機の「ガラパゴス現象」
この日本のゲーム市場の特異性について、企業がほぼ国内市場のみに注力することを指す
「ガラパゴス現象」を顕著に表していると見る向きもある。日本では、国外で爆発的な売上を記録した
iPhoneやGalaxyなどのスマートフォンがヒットするまで、日本の携帯キャリアは国産の折り畳み式携帯電話に注力していた。
iPhoneの国内人気は依然として強いが、都内の地下鉄に乗ると、もう1つの日本のゲーム市場の特徴がみてとれる
─携帯ゲーム機の人気だ。通勤電車に乗る人々が暇つぶしに携帯ゲーム機で遊ぶ光景はよくみることができる。
また家庭では、PC用ゲームの人気が高まっている海外と比べて、日本は依然として据え置き型ゲーム機が人気だ。
■消費者は「自己表現より現実逃避」か
ゲーム倫理規定団体のCEROのある幹部は、「日本の消費者は、暴力、反社会的表現や
過激な性的表現を含んだものではなく、ファミリー向けのゲームを好む傾向にある」と分析する。
インターネット関連企業のGMOクラウドの報告書はこの違いを「自己表現よりも現実逃避」と説明している。
それが本当かどうかは別として、「グランド・セフト・オート」は、任天堂のヒット作「とびだせ どうぶつの森」と比べれば間違いなく暴力的だ。
■GTAVは日本で売れるか
5年前に発売された前作「グランド・セフト・オート4」は発売初週に
全世界で5億ドル(約500億円)の売上を記録した。発売されたばかりの最新作も同様の売れ行きを示している。
コンサルタント会社インターラクトの平林久和氏は、グランド・セフト・オートの最新作が
日本市場でそれなりの成功を収める可能性はあると分析している─少なくとも、欧米産のゲームとしては。
URLリンク(www.afpbb.com)