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『サイゾーウーマン』が「『ガッチャマン』大コケ! 加熱する剛力彩芽批判に、制作側の意外な本音」という記事を配信しており、いろいろ興味深かったので、これについて少し。
1 記事の紹介
「実写版映画『ガッチャマン』の興行成績が、思った以上に伸び悩んでいると話題になっている」ことを受けての記事です。
「オフィシャルサイトでは『制作費80億円』と謳われているが、
公開初日と2日目の合計興行収入は1億1,570万円」に留まっており、「ネット上では『大コケ』」との意見もあるとしています。
「近年では、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』『ひみつのアッコちゃん』『るろうに剣心』など、
超有名マンガ・アニメ作品の実写映画作品が多数公開されて」いますが、記事では、これについて「初めから原作ファンが付いている作品の映像化は、
コケる可能性もある博打的側面もあるが、制作側の狙いは興行収入とは別の部分にあると」しています。
その理由として挙げられているのが、「その後リリースされる二次作品での収入」で、例として「藤原竜也が主演した映画『カイジ 人生逆転ゲーム』」を挙げ、「企画の段階からパチンコ化が決定しており、作品がどれだけ赤字になっても、
最終的には黒字になることが確約された上で撮影された作品」だったそうです。
今回の『ガッチャマン』も、「同じように二次展開がすでに用意されていると考え」られ、結果は黒字になるとしています。
2 「剛力彩芽批判」
元記事の標題に、「加熱する剛力彩芽批判」とあるように、元記事では、
剛力彩芽に対するいろいろな批判が寄せられていることなどについても言及しています。
しかし、私自身まだ、実写版『ガッチャマン』を見ていないので、
彼女の演技をどうこういう資格はなく、それについて言及するつもりはありません(『はだしのゲン』と教育委員会の体質)。
3 スポンサー
作品を創るためには、スポンサーがいなくては話にならず、いくら良い作品をつくっても売れなくては話になりません。
ここいらがいろいろ難しいところで、制作者サイドがいくら良い作品だと思っても何を言いたいのかわからない作品もあり、
単なる独りよがりとしか思えない作品もないわけではありません。
ただ、あの『ガンダム』でさえ、視聴率の低下から結局放送数を減らされたわけですし、
『イデオン』も最初は幼児向けとスポンサーをだまして制作されたのは有名な話かと思います。
余談ですが、個人的には『イデオン』はかなりの名作だと思っておりますが、
同時に大衆受けはしない作品とも思っています。
先に「いろいろ難しいところ」と書いたのは、『イデオン』は私のつぼにはまったので、
そう思っただけであり、私にとっては「独りよがり」にしか思えなかった他の作品について、「名作」と判断された方はいると考えるからです。
4 黒字化
スポンサーは道楽で資金を提供するわけではないので、当然それによってメリットを享受することを要求してくるわけですが、
資金が回収できる「黒字化」の保証があるということは、資金を出す敷居がかなり低くなります。
これ自体は悪いことではありませんし、こうした形でより多くの作品が世に出ることは逆に望ましいことと思っています。
ただ、同時にこれは、作品の質を問わないことや、二次作品での使用を踏まえた制約などが出てくることと意味します。
もちろん、この世に何の制約もないことなどない方が珍しく、そうした中で如何に良い作品をつくかが大事だという話は良くわかります。
5 最後に
私的には、何かをするためには、適度のプレッシャーというのは必要で、「黒字」を目指すというのは、その最たるものかと思います※。
その部分について初めから保証されているとなると、スポンサーが見つめやすいという長所があり、良いようですが、
作品の質ということを考える上で、どうなのかなと思ったが故のエントリーでした。
※、念のため補足しておくと、当然今回の評判は次回の仕事の有無にも連結するわけで、
今回の制作サイドが全くプレッシャーがないなどというを意味しているわけでありません。
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