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2013年5月14日、京華時報によると、中国でこのほど、8歳と5歳の男児が、同じ村に住む9歳の男児を木に縛りつけて火をつけ、ひどいやけどを負わせた事件が起こった。
これは、中国で大人気の国産テレビアニメ「喜羊羊(シーヤンヤン)と灰太狼(ホイタイラン)」の劇中に登場する「灰太狼が羊を焼くシーン」を真似たものだという。
中国国産アニメにとって、アニメシーンを真似た傷害事件・事故をどのように防止するかが当面の重要な課題となっている。
国産アニメの制作上の問題について、アニメディレクターの于勝群(ユー・ションチュン)氏や製作プロデューサーの程海明(チョン・ハイミン)氏など業界関係者を取材した。
■「喜羊羊と灰太狼」の問題点
(1)セリフ
紅太狼はいつも歯が浮くような気持ちが悪い口調で灰太狼のことを「あなた」(夫)と呼ぶ。
劇中では、このように「夫」と「妻」の関係が繰り返し強調される。
(2)シーン
羊たちはいつも村長をからかい、老人を敬わない。
紅太狼はいつも灰太狼に家庭内暴力をふるう。
灰太狼は羊を煮たり、焼いたりするなど始終暴力行為を行う。
(3)道具
紅太狼は何かというとフライパンを振り回して人を殴る。
■業界関係者へのヒアリング
「視聴者に対する明確な位置づけがない」
1人の業界人の立場として、アニメディレクターの于勝群監督は「これは制作者側のミスだ」と率直に認める。
「ただ1人の子供が真似しただけだとしても、我々は自分に関係ないと思ってはならないし、今後このような事件が2度と起こらないように対策を取らなければならない」。
于勝群監督は、「アニメ産業は良心的な産業であるべきで、制作者側は常に子供のことを考えなければならない」と語る。
制作者が功利主義に走っている
制作プロデューサーの程海明氏は国産アニメをめぐるさまざまな問題について、「根っこにある問題は、制作側の功利主義だ」と分析する。
「あるアニメは単に説教くさいだけ。
科学技術の普及を掲げて、子供に授業を受けさせるかのように説くが、子供はアニメを見るときは全く頭を使わない。また、あるアニメはあまりにも大人の目線で作られている。
暴力や戦闘シーンばかり追求し、文化的な素養に欠けている。このほかにも、商業的なアニメがテレビに氾濫している。
たとえば、リモコンのレーシングカーや、ロボットなどの少年系アニメは子供に玩具を買わせることが目的で、物語としての内容がからっぽだ」と語る。
ストーリーが大人目線でセリフが暴力的
児童教育専門家によると、明らかに未成年には向かないと思われる多くのアニメがゴールデンタイムに放送されているという。「国産アニメには、大人志向化や低俗化、暴力化の現象が見られる」と深く嘆く。
■保護者の声
「健康的なシーンを増やして、暴力シーンは少なくすべき」
5歳の娘がいつも周りの子供たちに、灰太狼の憎憎しげな口調を真似て「殺してやる」と言うのを聞いて寧さんは内心気が気でない。
寧さんは子供たちにはもっと健康的で、暴力シーンの少ないアニメを見せたいと思っている。
「今のアニメは大人目線で描かれる傾向がひどく、ややもすると人に罵声を浴びせる。
これは子供にとっては非常に良くないことだと思う」と心配の声をあげる。
URLリンク(image.news.livedoor.com)
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※続く