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6月3日の朝日新聞朝刊に「アニメの制作現場は制作者の高齢化が進んでいる」とあった。
ということは若手が育っていないという意味合いも含まれるのだろうが、マスコミがしばしば
記事にするその種のレポートは果たして本当なのか。一方では最近若手が育っているという話も
聞くので、今回はその検証を行いたい。
4月にスタートしたアニメ新番組で話題になった作品はさまざまあるが、その中でも気合いの
入り方が違うという評判だったのがジャズをテーマにした『坂道のアポロン』と定番作品の
主人公を入れ替えた『LUPIN the Third -峰不二子という女-』だ。ともに初回は「動画枚数
1万枚超え」(通常のテレビアニメは3000~3500枚)の熱の入り方であった。
『坂道のアポロン』の監督は、海外でも人気の高い『カウボーイビバップ』を手掛けた渡辺信一郎氏。
音楽に対する斬新な取り組みには並々ならぬものがあり、打って付けの人材である。
ひるがえって『LUPIN the Third -峰不二子という女-』の監督は? と思って調べたら、
これが女性でしかも若い!彼女の名前は山本沙代。1977年生まれなので今年35歳。美術大学を
卒業して中堅アニメ制作会社のマッドハウス入社。25歳にして早くもテレビアニメ『ドラゴンドライブ』で
シリーズの各話演出を任せられ、その後さまざまなシリーズの演出を手がけ、31歳にして
『ミチコとハッチン』のシリーズ監督を担当。そして、監督2作目となったのが大抜擢された
『LUPIN the Third-峰不二子という女-』である。
実は山本沙代氏のような若手監督が育っていることを最初に世の中に知らしめたのは
アニメ雑誌『アニメージュ』2008年11月号の「アラサー世代がアニメ界を動かす」という特集だった。
次表はその特集で挙げられていた監督が手がけていた作品のリストであるが、『DEATH NOTE』
『空の境界「矛盾螺旋」』といった話題作も含まれており、当時から注目された存在であった
ことが分かる。(※表3種はソース参照)
また、次表は特集以降の彼らの作品リストだが、1977年生まれの監督が30代中盤となっている
こともあるせいか、今では日本のアニメ制作を支える存在となっていることが分かる。
若手監督は特集に取り上げられた彼らだけではない。雑誌が出てから4年が過ぎ、彼らと
同年代の中から、さらにはもっと若い世代から多くの有望な人材が頭角を現し始めている。
次表は先ほど取り上げた監督を除いた1976年以降生まれの代表的な若手監督リストである。
4年の間に同世代から多くの監督が生まれ、さらに若い世代においても確実に才能が
育ちつつある様子がうかがえる。
Business Media 誠(一部略)
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