12/04/13 10:50:39.67
アジア市場におけるクール・ジャパンVS韓流(クール・コリア)は3勝2敗―。
博報堂が興味深い調査をまとめている。台北、香港、マニラ、バンコク、上海、ジャカルタ、シンガポール、ホーチミン、
クアラルンプール、ムンバイのアジア10都市で男女計6591人に日・韓・欧米のコンテンツ(マンガ・アニメ、ドラマ、映画、
音楽、メーク・ファッション)でどれが好きかについて聞いた結果だ。
10都市の平均を出したところ、「マンガ・アニメ」と「音楽」と「メーク・ファッション」の3分野では日本が韓国を上回ったものの、
「ドラマ」と「映画」の2分野では日本が韓国を下回った。日本はマンガ・アニメでは圧勝、メーク・ファッションでは
優勢だが、音楽ではほぼ拮抗しており、逆にドラマや映画では劣勢に立たされているという状況だ。
■台北と香港は親日、ASEANは韓流
都市ごとに見ると、さらにアジアでの地域差も浮かび上がる。
5コンテンツでいずれも日本が韓国を上回ったのは台北と香港。この2都市は特にクール・ジャパンの人気が高いので、
アジアの中では“親日色”が強い場所といえそう。
一方、マンガ・アニメを除く4コンテンツでいずれも韓国が日本を上回っていたのがバンコク、上海、ホーチミン。
全般的に見て、東南アジア諸国連合(ASEAN)では韓流人気がより高い傾向があるようだ。
「日本コンテンツはかつてアジア各国で強い影響力を持っていた。だが、今では韓国コンテンツに押されている」(博報堂)。
そんな実態がうかがえる。確かにテレビを見ると、韓国のドラマや映画は目に付くし、KARAや少女時代など
K―POP(韓国のポップス)の人気も高い。 「日本のドラマ、映画や音楽も健闘しているが、うかうかしていたら韓国勢に抜かれてしまう……」。そんな不安も頭をよぎる。
アジア市場で韓国に後れを取っているドラマや映画のクール・ジャパンのテコ入れが急務なのだ。
そもそも、なぜ日本は韓国に出遅れてしまったのか?
中略
韓流ブームは1990年代後半に中国、台湾でドラマから火がつき、日本ではドラマ「冬のソナタ」のヒットが起爆剤になった。
こうした韓流ブームは香港、メキシコなどを経て、モンゴル、インドなどにも広がっているという。
背景には、日本のコンテンツの価格上昇や香港映画の衰退などの追い風もあったようだ。
■巻き返しに乗り出した日本政府
「韓流の成功」を参考に経済産業省は昨年、「クール・ジャパン海外戦略室」を設置。ようやく巻き返しに乗り出した。
ファッション、食、メディア・コンテンツ、地域産品、住まい、観光などを「クリエーティブ産業」と位置付け、育成する構想だ。
昨年度はシンガポール、インド、中国、韓国などや欧米の各都市で様々なPRイベントを開催。「2020年の世界(日本を除く主要18カ国)の
文化産業の推計市場規模は900兆円以上。そのうち8兆~11兆円の獲得を目指したい」(渡辺課長)という。
果たして日本は出遅れを取り戻せるのか? クール・ジャパンVS韓流の対決はこれから激しさを増しそうだ。
クール・ジャパン なぜ韓流に出遅れたのか? 日本経済新聞 編集委員 小林明 2012/4/13 7:00
URLリンク(www.nikkei.com)