産経抄ファンクラブ第197集at MASS
産経抄ファンクラブ第197集 - 暇つぶし2ch591:文責・名無しさん
14/04/28 09:00:34.14 gyMO7G1L0
有吉さんの怒り 4月28日

 「徘徊(はいかい)は、どこのホームも引受けないんですよ」「それじゃ私は、どうしたらいいんですか…
一人で面倒みなきゃならないって仰言(おっしゃ)るんですか」。84歳の舅(しゅうと)は、ちょっと目を離し
たすきに家を出てしまう。サラリーマンの妻である主人公は、介護施設に相談してもらちが明かない。

 ▼作家の有吉佐和子さんが老人介護をテーマにした『恍惚の人』を世に問うたのは、昭和47年だ。
日本がまだ高度成長に酔いしれ、「認知症」という言葉もなかった時代である。にもかかわらず、今読み
返しても古さを感じさせない。

 ▼警察庁によると、認知症が原因の行方不明者が平成24年だけで9607人に達し、そのうち359人が
死亡していた。介護に関わったことのある人なら、どれほど徘徊を防ぐのが難しいか骨身にしみている。
けっして驚くべき数字ではない。

 ▼それだけに、先日の名古屋高裁の判決の衝撃が大きかったはずだ。愛知県内で徘徊症状のある91歳
の男性が列車にはねられ死亡した事故について、介護をしていた妻の責任を認定した。JR東海への賠償額は、
1審判決から減額されたとはいえ、359万円に上る。他の鉄道会社も同じような事故で、遺族に損害の賠償を求めているという。

 ▼有吉さんはかつてインタビューのなかで、「なぜ『恍惚の人』になった老人を他人事(ひとごと)と感じて、
のほほんとしていられるのか」と世間に問いかけたことがある。確かに『恍惚の人』の刊行がきっかけとなり、
介護制度の整備が進んだ面もある。ただ今も特別養護老人ホームの入所待機者は、増えるばかりだ。

 ▼「裁判官を含めて世の中には、介護問題に他人事の人がまだ多すぎる」。存命なら83歳になる有吉さんが、
このニュースを知ったら言うだろう。


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