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5月8日付 東京本社版
「おすそ分け」の心に影さす春 会社経営 山口光次(福島県三春町 66)
東北もようやく春になりました。日の光が強くなり、心も自然と明るくなります。ツクシ、ノビル、
タラの芽、コシアブラ……。自然が恵む新芽は全て食べられそうな気がします。しかし、原発事故
以後は、すぐに飛びつけなくなりました。以前は、私も山菜を採り、近所や知人に分けたものですが、
今は誰にもあげられません。なぜなら、「迷惑な贈り物」になると知っているからです。相手を
傷つけまいとして、表面は喜んで受け取っても、結局は捨ててしまうかもしれません。私も恐縮して
受け取りますが、食べるかどうか、困ることがあります。
放射能に対する不安で、近所付き合いが少し変わりました。福島だけでなく、日本中で、「おすそ分け」の
美しい心にヒビが入っているように思います。東京電力や政府は原発事故の避難者の補償をいいますが、
心の補償は誰がどんな形でしてくれるのでしょうか。