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産経抄 4月14日
ざまあ見ろ三代目、と快哉(かいさい)を叫ぶ気持ちにはなれなかった。
北朝鮮の「テポドン2号」とおぼしき長距離弾道ミサイルはきのう朝、あっ
という間に海の藻屑(もくず)と消えたが、外国人記者団に胸を張って説
明していた技術者たちはこれからどうなるのだろう。
▼北朝鮮は今回、NHKやTBSなどのテレビ局や通信社を事前に発射
台のある東倉里まで招待するサービスぶりをみせた。小紙は煙たい存
在のようで、お呼びがかからなかったが、平壌に立派なプレスセンター
を設営し、大スクリーンまで備え付けられた。
▼「テポドン2号」の雄姿はついにスクリーンに映らなかったが、気の毒
だったのが、現地に派遣された記者たちである。発射情報を確認する
よう本社から矢の催促を受けてもプレスセンターの担当者が知ってい
るわけがなく、間の抜けたリポートをするしかなかった。
▼もっと間抜けだったのが、日本政府だ。韓国の通信社などが速報し、
韓国国防省も発射を公表した後に首相官邸は「確認していない」とやっ
てしまった。発射直後に米軍から情報が伝えられていたにもかかわらず。
▼緊急情報を自治体などへ瞬時に流せると鳴り物入りで導入した「Jア
ラート」も使われずじまい。官房長官は「日本としての確認が必要だった」
と言い訳したが、発表まで44分もかかるとは情けないにもほどがある。
▼仮にミサイルが東京に飛んできても官房長官なら「確認中」と言いか
ねない。危機管理の基本は、国民に危険情報をいちはやく伝達し、的
確な措置をとることにある。それができぬのなら、一刻も早く政権の座
をおりてもらいたい。メンツを潰された苦労知らずの三代目は、何をしで
かすかわからないのだから。