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【産経抄】2月25日
40年も昔のお話。「テレビカメラはどこかね? 新聞記者の
諸君とは話さないことにしてるんだ」と言い放ったのは、
退陣会見に臨んだ佐藤栄作首相だった。怒った記者団は退席し、
首相は無人の会見場でテレビカメラ相手にしゃべり続けた。
▼民主党の前原誠司政調会長は、どうやら佐藤シンパらしい。
記事が気に入らないと、小紙記者を会見場から排除したが、
沖縄返還を実現した佐藤氏と違い、政治家としてさほど
実績のない前原氏がやるのは40年早い。
▼彼のみならず民主党には、他者の批判を極端に嫌う
党風がある。野田佳彦首相はたまにしかやらぬ会見以外では、
記者の質問には一切答えず、小沢一郎、菅直人の両元代表は、
気に入ったメディアしかインタビューに応じない。
▼橋下徹大阪市長のように相手を言い負かす自信が
ないからだろうが、前原氏の言い分も書かなくては
フェアではあるまい。会見に出られなかったので他紙を
引用すると、「事実と異なることを人をおとしめるために
書き続けるのはペンの暴力だ」と言ったという。
▼事実と異なるのなら、新党日本の田中康夫代表が命名した
「口先番長」を拝借した小欄も謝らねばと、記事を読み返したが、
どの部分が事実に基づかないのか、さっぱりわからない。
国土交通相就任時に宣言した八ツ場(やんば)ダム建設中止か。
尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件での豹変(ひょうへん)ぶりか。
まさかとは思うが、在日外国人からの献金か。
▼京大法学部から松下政経塾を出てすぐ政治家になった
彼には世間知がなさ過ぎる。天下を狙うのなら一度、国会議員を
やめ、南京事件の発言で中国から嫌がらせを受けてもぶれない
名古屋市長の下で修行し直すことを強くお勧めしたい。