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【産経抄】2月18日
世の中はカネだ。とは言いたくないが、親の遺産相続から
国家間の戦争に至るまで、この世に存在する諍(いさか)いの
原因ほとんどすべてにカネがからんでいるのが現実である。
▼永田町で日々、繰り広げられている茶番劇もまた
カネにからんだものがほとんどだ。政府はきのう消費税増税と
社会保障の一体改革に関する大綱を閣議決定したが、要するに
増え続ける老人のためにどうカネを都合するか、あるいは削るかに尽きる。
▼老人は年金を減らさせないためにある程度の消費税増税も
致し方ないと思うだろうし、若者は自分たちの生活で精いっぱいで
増税などとんでもないというところだろう。さらに厄介なのは、
いま若者でもいつかは老人になり、「もっと年金を」と文句を
言うようになるときにはカネを稼いでくれる若者が激減していることだ。
▼だからこそいま増税が必要だ、というのはもっともらしいが、
野田佳彦首相は肝心なことを忘れている。自らの身を削る行政改革を
まったくやっていない上に、貴重な血税を無駄な事業に使いすぎている。
▼最も無駄なのが、旧日本軍が中国に捨てたとされる遺棄化学兵器の
処理事業だ。来年度予算案には約208億円も計上されているばかりか、
既に約861億円もの大金が支払われ、しかも出費はこれから
最低10年続くという。
▼化学兵器禁止条約に基づいた事業だが、旧日本軍は終戦時に
ほとんどの砲弾を中国軍や旧ソ連軍に引き渡しており、本来なら
必要はない。この事業をめぐってはさまざまな輩(やから)が
徘徊(はいかい)し、逮捕者まで出ている。こんなお人よしで
不明朗なカネのばらまきをやっているのは世界広しといえども
日本だけなのを納税者はもっと知るべきだろう。