産経抄ファンクラブ第171集at MASS
産経抄ファンクラブ第171集 - 暇つぶし2ch642:文責・名無しさん
12/02/02 06:53:09.45 oAHJtBRKP
産経抄                                    2月2日
日本有数の豪雪地帯として知られた新潟県中里村(現十日町市)が、「雪国
はつらつ条例」を制定したのは、昭和63(1988)年だった。雪を克服、利用
して活力のある村づくりをめざしたものだ。
▼ところがその14年後に発行された中学公民教科書で、「雪国はつらいよ
条例」と誤記されて大騒ぎとなる。どうやら編集者は、映画『男はつらいよ』の
タイトルと、雪国の冬の過酷さが重なってしまったらしい。都会人の雪国への
偏見との批判もあった。
▼日本海側を中心に、大雪の被害が深刻になっている。強い寒気と発達した
低気圧により、週末にかけてますます降雪量は増えそうだ。雪の事故による
死者は、すでに50人を超えた。雪国に暮らす人たちは、文字通り「つらい」生
活を強いられている。
▼江戸末期、越後湯沢の商人だった鈴木牧之は、江戸や上方など「暖国」の
人たちに、豪雪と闘う「つらさ」をなんとか知ってもらおうと、随筆『北越雪譜』を
書いた。「雪を掃ふ」という小節で、雪下ろしの苦労に触れている。
▼「此雪いくばくの力をつひやし、いくばくの銭を費し、終日ほりたる跡その夜
大雪降り夜明て見れば元のごとし」。終日の雪掘り(雪下ろし)が、一夜の大雪
で徒労に終わると、ため息をつくしかなかったという。自治体の悩みも同じだ。
除雪が追いつかず、小中学校を休校にする地域も出ている。人手のない独り
暮らしのお年寄りは、さぞ心細い毎日であろう。
▼暦の上で目前に迫った春の訪れは、雪国にとっては遠い先の出来事だ。「日
光明々としてはじめて人間世界へいでたるここちぞせらる」。牧之が書いた喜び
を人々が共有できる日の、一日も早からんことを祈りたい。


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