産経抄ファンクラブ第171集at MASS
産経抄ファンクラブ第171集 - 暇つぶし2ch219:文責・名無しさん
12/01/27 07:13:11.94 HqMEjRGU0
1月27日
2012.1.27 03:13 [産経抄]

 向田邦子に『大根の月』という短編がある。主人公の女は、台所でハムを切っている最中、
ふざけてまな板に手を伸ばしてきた、小学1年生の一人息子の人さし指を落としてしまう。
この過失事故がきっかけで、女は家を出る。
 ▼福島県内で、5歳の男児が劇薬入りの目薬によって右目の角膜が傷つき、物が判別
できなくなるほど視力が低下するという事件があった。各紙の報道をみればこちらは、きわ
めて悪質な児童虐待事件だ。
 ▼地元の警察署は、男児の母親である20代の女性と交際している、48歳のトラック運転
手の男を傷害容疑で逮捕した。男児はもともと右目の病気のために病院から目薬を処方さ
れていた。男は昨年4月から12月にかけて、その目薬に劇薬をひそかに混入し続けたこと
を認めているという。妻子持ちの男が、なぜこんな凶行に及んだのか。
 ▼地元の警察は、男が男児の母親の気を引くために劇薬を入れた可能性がある、とみて
いるようだ。事実なら、男とともに男児の目に目薬を差していた母親のショックの大きさは、
いかばかりだろう。
 ▼〈母となる眞剣 父となる遊戯〉。昭和初期に川柳作家の井上剣花坊が、世間一般の男
が子供に対し示す、あまりに無責任な態度に怒りをこめて詠んでいる。いっこうに収まる気配
を見せない児童虐待事件をみれば、「母となる眞剣」が薄れ、「父となる遊戯」ばかりが蔓延
(まんえん)しているようだ。
 ▼『大根の月』のなかで向田は、家庭とは「一番大切なものも、一番おぞましいものもある」
場所だといっている。その家庭の存在が、女と息子にいつしか事故を乗り越えさせていく。男児
の目のけがが癒え、平穏な家庭を一日も早く取り戻せるよう祈りたい。



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