産経抄ファンクラブ第170集at MASS
産経抄ファンクラブ第170集 - 暇つぶし2ch2:文責・名無しさん
12/01/03 04:17:18.31 OxVdn5pM0
【産経抄】1月3日

 売れない中年作家、ハリー・ブロックのもとに、ある日刑務所から
手紙が届く。差出人は、12年前にニューヨーク市内で4人の女性を
惨殺し、全米を震え上がらせたダリアン・クレイだった。告白本の
執筆を引き受けたハリーに、とんでもない災難が降りかかる…。
 ▼昨年の小紙の書評欄で激賞されていた『二流小説家』(デイヴィッド・
ゴードン著、早川書房)を、遅ればせながら正月休みに読了した。
確かに評判にたがわぬ出来栄えだ。もっともどんな推理小説も、現実の
事件にはかなわない。
 ▼大みそかの深夜、東京・丸の内署に、オウム真理教の平田信容疑者
(46)が突然現れた、とのニュースを聞いてそう思う。平田容疑者は、
平成7年2月に発生した目黒公証役場事務長の仮谷清志さん監禁致死
事件で特別手配されていた。
 ▼警察当局は、警察庁長官銃撃事件など、そのほかの一連のテロ事件にも
関与したとみている。それにしても17年間、どんな逃亡生活を送って
いたのか。出頭の理由は何か。「推理小説を書くにあたっていちばん
厄介なのは、虚構の世界が現実ほどの謎には満ちてはいないという点に
ある」。「二流小説家」のハリーがぼやくのももっともだ。
 ▼実は小説のなかに、クレイが死刑を逃れるための策略が記されている。
今回の出頭も、教祖だった麻原彰晃死刑囚の執行阻止が目的、との見方が
ある。裁判が始まれば、麻原死刑囚が証人となる可能性があるからだ。
 ▼その見方が正しければ、小説を超える悪巧みだ。「教祖の死刑は当然」
との平田容疑者の言葉は、額面通りには受け取れない。どんな推理小説にも
結末がある。現実の被害者遺族に、いつ事件終息の日が訪れるのだろう。


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