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約束の日 安倍晋三試論 小川栄太郎、 幻冬舎 \1,575円
評: 阿比留瑠秘比(政治部) 産経新聞 2012-09-09
メディアと政治家との関係に関心がある人に、ぜひ読んでもらいたい。 戦後体制から
の脱却と公務員制度改革、教員改革、憲法改正への道筋作り・・・文芸批評、音楽批評を
専門とする著者が畑違いの政治分野で丹念に追跡し、拾い集めた安倍政権の足跡、実績と、
スキャンダル暴露と印象操作に終始した朝日新聞の報道のあり方をたどると、あまりの乖
離に愕然とするだろう。
「阿倍の葬式はうちで出す」。本書では、この安倍内閣当時の朝日新聞幹部のグロテス
クな言葉が繰り返し引用される。 政治評論家の三宅久之は著書に、朝日の若宮啓文論説
主幹(現主筆)とのこんなやりとりを明かしたという。 三宅「朝日は阿倍というといたず
らに叩くけど、いいところはきちんと認めるような報道はできないものなのか」。 若宮
「できません」 三宅「何故だ」 若宮「社是だからです」。 特定の政治家を叩き、
おとしめることが社是である新聞社とは、どんな存在なのだろうか。それはむしろ政治的
意図をあらわにしたプロパガンダ機関と云うべきだが、社論を決定する地位にある人物が
こう述べたと云うから驚く。
メディアが権力者を批判するのは当然だが、著者が指摘する「明白なウソ」「虚偽のス
トーリー」による阿倍叩きに正当性はあるのか。 本書は、安倍内閣で首相補佐官を務め
た世耕弘成が大学生に語った述懐をとりあげる。「今でも良く思うんだよね。 安倍内閣
はいったい何だったのだろうって、あの叩かれ方は何だったのだろう」
また、本書は実証的なアプローチも欠かさない。 それによると朝日は安倍内閣の松岡
利勝農水相の政治資金問題の関連記事は125件も掲載した反面、 民主党の小沢一郎代表の
政治資金問題は14件のみ。 阿倍が推進した教育基本法改正に関して反対運動の記事70件
を掲載したが、賛成派の動きは3件だけだという。
反阿倍勢力に封印されたあの時代を、正確な記憶として取り戻す・・・ 本書はそのた
めに書かれ、阿倍復活の「約束の日」への切望を表記して締めくくられている。