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医療行為はすべてリスクとベネフィットを秤にかけて選択される。
悪性腫瘍の外科手術、抗癌剤投与、放射線治療も皆そうである。
同じ食道癌であっても、サザン桑田さんは手術成功で生還。
勘三郎さんは合併症でそのままお亡くなりになった。
だからといって、勘三郎さんのような例をいくつも強調し、癌手術はとんでもないこと、と啓蒙するやり方が正しいわけではない。
うまくいかなかった症例の背景には、表にでてこないうまく行った症例が桁違いに控えているからだ。
「癌手術は危険だ。やめなさい。」と人々に恐怖を植えつけた後に用意されているのが、「自費でこのなんとか水を飲みなさい。」という医者がいた場合は、きわめて用心してかかったほうが良い。
ましてや、そのなんとか水製造販売会社が、その医師の奥さんが社長でやってたりしたら、まずそこから離れることが大切だ。
そのようなことを平気でしている人物は、医師免許があっても、医療人というよりむしろ、
「医療は毒。ほらこんなに毒にやられた例がある。こっちの講習会に来なさい。先生の壺を買って祈りなさい。」という類と人々との共通性のほうがよほど高いことを知るべきであろう。
精神科医療は、動物実験が全く不可能な分野(言語疎通ができる人類以外の動物がいない)であるが故、
靴の上から足を掻くようなもどかしさは感じるが、だからといって現代の精神科薬物療法をすべて否定することは、
薬物以前の世界に戻せということになる。
その世界では、興奮が収まらず、数人がかりで抑えても跳ね返すような患者には脳外科手術ロボトミーを行なって興奮の無いようにしていたし、
鎮静のため長時間水風呂に入れたりという、現在の物差しで言えば拷問のようなことがおこなわれていた。
もっと前は、座敷牢と鎖と断頭台の世界だった。
人類は、こうした悲惨な歴史を克服してこの現代に至っていることを忘れてはならない。