12/07/07 20:46:28.75 ZncnaCUx0
今日は土曜日、ゆっくりと出来ると思いきや泌尿器科病棟の看護師さんから電話があった。今日
患者さんの奥様が是非に診察を希望されておられるとのメッセージ。急変ではないので
午前中に向かうと返事をした。ゆっくりと朝食を済ませ、病院まで徒歩で15分位なので
傘を手にしてぶらぶらと病院に歩いて行く途中の小さな公園の木の根もとにもそもそと
動いている虫を見つけた。メスのカブト虫であった。この町ではカブト虫が生息しているとは
聞いたことがない。きっと子供が百貨店で買ってもらったカブト虫がかごから逃げ出したのだろう
と想像しカブト虫を拾い上げハンドバックの中に入れて病院にたどり着く。患者さんの奥様は
朝7時に病室に着き看病されていたとのこと。患者さんの疼痛はやや緩和されているようで
奥様の緊張感も和らいでおられたので病状説明後一礼して病室を出た。また徒歩で傘をさし
ブラブラと歩く。ゴソゴソと音を立て動き回るカブト虫が入ったハンドバックを小脇に
抱えこのカブト虫を小1の真ちゃんに土産に持って行ったら喜ぶだろうとウキウキした心持ちになり、
夕食はいつもの居酒屋に行くことにした。アパートに帰りさっそく冷蔵庫にいれて置いた
ミニトマトを丼に移し、プラスチックの容器にカブト虫を入れて上からラップをかけて
ボールペンでラップに数カ所穴をあけ空気孔をつくておいた。7時に居酒屋の引き戸を開けると
小1の真ちゃんが待ちかまえていたように「おじちゃーん」と言って駆け寄って来て私の
太ももに抱きついて来た。そこでカブト虫のお土産を渡したところきらきらとした目で
透明な容器に入っているカブト虫を見入っていた。親父も、未亡人もほのぼのとした情愛を
真ちゃんに注いでいた。それからは、真ちゃんはそっちのけで親父とビールを飲みながら
巨人阪神戦を見ていた。今日の酒のつまみと夕食は特にうまかった。勘定を済ませ店を出る時に
未亡人が「これは父からです」と言って煮魚やら、野菜のにものやらいろいろ入った
独身者にとってこの上ない土産物をいただいた。今日はちと飲み過ぎたのか土産物を
すぐに冷蔵庫に入れて、着の身着のまま眠ってしまった。