12/06/26 23:01:11.34 dhO1Etgg0
今日は外来患者さんが少なかったので、ゆっくりと昼食が取れた。
午後から病棟に行き看護師から病状報告を受け回診をしてきた。皆さんお変わりなく
順調に回復されておられたので、安心してアパートのドアを開ける。真っ先に冷蔵庫
を開け何もない事に気付く、好きなビールもない。慌ててコンビニに車を走らせる。
店内で偶然3年先輩の女医さんに出くわせた。一礼してそそくさと店を出たところで
彼女に呼び止められた。うちで一緒にご飯を食べないかとの誘い。一瞬たじろいだが
誘いに応じた。突然なことで何がなんだかわからず彼女の車の後を追う。案内された
所は僕のアパートとは違い瀟洒なマンション、しかも駐車場は2台分契約されており
彼女の車の隣に駐車して3階の3LDKの居間に案内された。大なテレビが大音響でニュース
を報じている。ソファーには老婆がテレビを見入っていて、僕には気付かないらしい。
先生が老婆の耳元で客の来訪を告げた。すると老婆がやおら胸を広げ緊張しテレビを消した。
先生はマイナーなので心雑音がUCGをしなければいけないものかを判断して欲しかったらしい。
診察後その必要は無い旨を彼女に伝えた。老婆も先生も安心され夕飯が出来上がるまで
老婆の話し相手をしていた。老婆は急逝された夫の実母であることが分かり考え込んでしまった。
と同時に尊敬の眼差しで先生を崇めるようになった。出来上がった夕飯は特にうまいと思わなかったが
楽しい晩餐であった。