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長谷川亮 太夫
スレリンク(livejupiter板)
1 名前:風吹けば名無し[] 投稿日:2012/04/04(水) 22:58:24.16 ID:ROFOHhkc
時は平安―、丹後国。南慈栄の領主である長谷川亮太夫は、買い集めた奴隷たちを使い
田畑に米麦を植えさせ、山では猟をさせ、海では漁(すなどり)をさせ、蚕飼(こがい)をさせ、
機織(はたおり)をさせ、金物、陶物、木の器、チョコパイ等々を造らせ、富を築いていた。
しかし、あるとき買い取った奴隷の童(わらし)、これが名を問うても申さぬ頑固者であり、
業を煮やした太夫は自らこれに名を与えた。「名はわしがつけてやる。八神太一じゃ。
山へ往って日に三荷の柴を刈れ。弱々しい体に免じて、荷は軽うして取らせる」
この過分のいたわりようにも関わらず、八神は早々に反抗心を募らせた。夜の内に南慈栄を
抜け出した八神は、都に上洛し、長谷川亮太夫の悪事、住所、氏名、年齢、進学先、性癖を
都の隅々にまで吹聴して周ったのであった―。