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香川県では「うどん」の提供は選挙違反にならない...という都市伝説は本当か
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公職選挙法では、選挙事務所などで出すちょっとしたお茶や茶菓子などを除いて、
候補者が有権者に飲食を提供することが禁じられている。ところがこれをめぐり、ある「都市伝説」があることをご存じだろうか。
「香川県だけは、選挙事務所で『うどん』を出しても選挙違反にはならない。
なぜなら、地元ではうどんは茶菓子感覚で、公選法の規制する『飲食物』のうちには入らないからだ」
またまた、いくら「うどん県」だからって―と思うかもしれない。だが、これは永田町でもまことしやかにささやかれる話だ。
河野太郎氏(自民)も、2013年のブログの中でこう記している。
「公職選挙法の運用をめぐって、おかしなことがたくさんある。(中略)香川県に行ったら、
香川ではうどんは茶菓のうちだから提供してもよいと真顔で言う人がたくさんいる!」
果たしてこの伝説は本当なのだろうか。過去の事例などを調査してみた。
香川県では確かに「うどんはおやつ」
まず、香川県では実際に、うどんを「おやつ」感覚で食べるという話はよく知られている。
普通に食べるだけではなく、余った麺を揚げる「揚げぴっぴ」も、子供のおやつの定番だ。
選管にはうどんを何玉購入したのか報告している
そして過去の朝日新聞(2011年4月20日朝刊)による特集では、実際に県内の選挙事務所では、
ごく普通にうどんが訪れた有権者に振る舞われている―と紹介されている。
「県選管にはうどんを何玉購入したのか報告しています」というコメントがなんとも微笑ましい。
対して選管や県警は、厳密に言えば「違反」になるだろうとの見解を示しているが、
明確に「票を買う」という目的で振る舞われているのでなければ、あえて積極的に取り締まらなくとも......と、いわば黙認しているのだという。
スパイをもぐりこませ、敵陣営がうどんを何玉使ったのか探る
さらに、取り締まりが緩かった時代には、もっと過激な「うどん攻勢」が行われていた。
今から25年前の毎日新聞記事(1989年11月21日朝刊)には、「さぬきうどんで勝負」という見出しとともに、
「さぬきうどんを主な『武器』に展開されるその実態」(記事より)が生々しく伝えられている。
これによれば当時は、陣営が有権者をバスなどで事務所に招待し、うどんを中心とした食事で次々と歓待。それをほとんどの候補者がやっているものだから、まさにうどん戦争だ。
「他の陣営にスパイを潜らせているから、何を食わせ、うどんを何玉使ったかまでわかる」
とは、同紙の取材に答えた某市議の弁。もっとも有権者もしたたかで、
「昼間からタダ飯目あてにやってきて二、三杯平らげていく」ので、「うどん玉の数をつかんだところで(中略)意味がない」。
本筋とは関係ないが、前の記事にしろこの記事にしろ、「うどん玉の数」がしきりに文中に出てくるのがさすがうどん県というべきか......。
もっとも、これはもちろん昔の話だ。
もちろん、選挙違反になった事例もある
さて、ここまで見ると、「香川県ではうどんは選挙違反にならない」という都市伝説は事実のように思えてくる。
しかし2003年4月には、県内のある町長選で、「事務所でうどんの接待」をしたことが寄付行為とみなされ、
違反警告を受けた事例が報じられている(大阪読売新聞、2003年4月28日朝刊)。
また事務所ではないが、うどん店でうどんやビールを振る舞い、票の取りまとめを依頼した人物が逮捕された例もある。
要するに上記の朝日新聞記事にある通り、「票を買う」目的が顕著だと、いくら香川県でうどんでもアウト、ということなのだろう。
なお余談だが、1995年には広島県、2010年には愛知県で、「うどん」が選挙違反に当たるとして逮捕された事件が起きている。
ちなみに愛知県の方は、うどんはうどんでも「味噌煮込みうどん」だったそうだ。こんなところにも「地域差」というか、「お国柄」が出るものらしい。