14/08/15 19:30:58.75
まさか!? ミッフィーが万引き! されたんじゃなくて、したんだよ!
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サブカル古書店「まんだらけ」での万引き問題が議論を呼んでいる。25万円相当の「鉄人28号」の
ブリキ製人形を万引きされた「まんだらけ」が、期日までに返却に来なければ犯人と思われる人物の
顔写真を公開すると警告。報道陣も大勢詰めかけたためか、結局期日までに
フィギュアが返却されることはなく、また警視庁からの要請により顔写真の公開も中止となった。
いまだ議論が冷めやらぬ今回の万引き事件だが、実は意外なあのコにも万引きの過去があるのをご存知だろうか。
オランダ生まれのうさぎキャラ・ミッフィーこと、うさこちゃん。ミッフィーといえば、口と鼻を表す×がチャームポイントで、
絵本やアニメ、さまざまなコラボグッズも販売されるなど、世界中で愛されているキャラクターだ。
あの、かわいいミッフィーが実は万引き事件を起こしていたのだ。かわいいだけでなく、おとなしくていいコキャラだけに、にわかには信じ難いかもしれない。
問題の万引き事件は、『うさこちゃんときゃらめる』(ディック・ブルーナ 訳・松岡享子/福音館書店)で描かれている。
ある日、お母さんと一緒にクッキーを買いに出かけたうさこちゃん。お母さんがお買い物をしているあいだ、
お店の片隅でキャラメルを見つける。赤、青、黄色、緑……と、いろんな紙に包まれたキャラメルを、
「まあ、なんて、おいしそう!」「ほしいなあ」と思う。そこでやめておくか、お母さんに「ほしい」と言えたらよかったのだが……。
〈それから、うさこちゃんは、とても、
とても わるいことをしました。
だれも みていないとき、きゃらめるを
こっそり ぽけっとに いれたのです……〉
うさこちゃんは母親や店員の目を盗み、キャラメルを万引きしてしまったのだ。
でも、うさこちゃんがほしかったキャラメルを手に入れて浮かれていたかというと、そうではない。
その日はベッドに入っても眠れず、いけないことをしてしまったという後悔の念にさいなまれるのである。
次の日になってもその気持ちは消えない。うさこちゃんの様子が変なことに気づいたお母さんが
「どうしたの」「なにかあったの」と聞くと、うさこちゃんは小さな声で答える。「きのう、おみせにいったとき、きゃらめるを とったの。それで、いまも ぽけっとに あるの。」
驚いたお母さんは、今すぐお店に返しに行きましょうと言うのだが、そのページに描かれたうさこちゃんの目には大粒の涙が一滴。
〈うさこちゃんは、おみせに いくのは
いやでした。あんなこと しなければ
よかった。ああ、はずかしい。〉
やはり、うさこちゃんとて、お店に盗品を返しに行くのは勇気のいることで、躊躇があるようだ。
〈でも、これは じぶんの したことです。〉
うさこちゃんは勇気をふりしぼり、お母さんに付き添われ、キャラメルを返しに行く。
そしてお店で「こんなことは もう にどと ぜったいに しません」と言うのだった─。
あのおとなしそうなミッフィーが万引きをしていたとは驚きだが、それ以上に驚かされるのは、その描き方だろう。
同書には、誰のひと言の説教も、罰も、ない。ほんの12枚の絵と短いテキストで、
罪を犯したうさこちゃんの心の揺れだけが、実に細やかに描かれている。つい出来心で万引きしてしまったが、
罪悪感にさいなまれ、でも誰にも言えず、ひとり苦しむうさこちゃん。読んでいるこちらも、胸がつまりそうだ。
こうした一見シンプルに見えてものすごく繊細な表現は、ミッフィーの生みの親であるグラフィックデザイナー、ディック・ブルーナの持ち味だ。
ちなみに、記事のなかで「ミッフィー」といったり、「うさこちゃん」といったりしたが、どちらも本名ではない。
本名はオランダ語で「ちいさなうさぎ」という意味の「ナインチェ」。
「ミッフィー」は英語圏の呼称で、「うさこちゃん」は絵本の翻訳者である石井桃子による日本語訳だ。
(酒井まど)