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天皇陛下が心臓バイパス手術を受けられてから１カ月余りが過ぎた。
先週は、胸にたまった水を抜く２度目の治療もあった。公務も時々務めながらのリハビリが続いている
▼傍らには皇后さまの姿がある。
少し振り返れば、今月１１日に開かれた国主催の東日本大震災１周年追悼式（東京・国立劇場）に
天皇陛下とともに出席された際は黒い和服姿だった ←★
▼追悼式などに和服で出席されるのは極めて珍しいという。「皇太子妃時代の１９６０年代以来」との報道もあった。
和服だったのには特別な訳があったことを、式典から数日後の報道で知った
▼洋装でのハイヒールより、底が平らな草履のほうが足元が安定するから、とっさの場合にも対応しやすい。
手術から間もない天皇20陛下が壇上でバランスを崩したりした場合を考えてのことだった。宮内庁幹部が明かした
▼出席を強く希望された陛下の体調が万全でないことを周囲は心配していた。
何かあったら「最もそばにいる方にお支えいただくしかない」と相談したところ、和服を選ばれた。
そんな皇后さまの“支え”もあって陛下は問題なく公務を務められた
▼陛下のリハビリに関する宮内庁の発表は断片的ながら、おおむね順調で食欲も少しずつ戻りつつあると聞く。
皇居・御所の庭を散策して山菜を摘まれたりしている。傍らにはいつも皇后さまの姿がある。
ご快癒後もお二人の時間を増やしてほしい。国民の願いだ。
＝2012/03/26付 西日本新聞朝刊＝
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