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【神奈川】在日3世の金泰俊さん(29、川崎市)が自転車によるユーラシア大陸横断の旅を終えて8月、帰日した。
自らのアイデンティティーを含め、人生を見つめ直したいと昨年7月に中国の上海を出発。大陸最西端の
ポルトガル・ロカ岬まで1年かけ、約2万1753㌔を走破した。金さんは、「本名で生きる決意がついた」と吹っ切れた表情を見せた。
1年がかり「本名で生きる」
金さんはこれまで「小島泰俊」を名乗って生きてきた。一方で「二つの自分」があるのがもどかしかったのも事実。
通名という「隠れみの」を捨て去りたいと、悶々としながら過ごしてきた。大学入学を前に、「広い世界から在日たる
自分自身を見つめ直せたら」と、日本を離れる決意を強くしていった。
大学卒業後に就職した名古屋の物流会社を4年で退職。「自分を追い込んでみよう」と、コツコツ貯めた100万円を資金に、
大阪からフェリーを利用して上海に。上海から香港、マカオを経由してチベット自治区入り。最高5000㍍の高地を走った。
1日の平均走行距離は100㌔。これは東京‐熱海間に相当する。
チベットから先のコースは出発前から「臨機応変」としていた。「人のまねごとではなにも残らない」と、あえてお仕着せの
ガイドブックには頼らなかった。旅費は1日おおむね3000円相当。宿泊先は安さ優先で、現地の住民が泊まりそうなところを選んだ。
宿がなければテント泊や野宿もいとわなかった。
食事はアジア諸国では食堂を利用。欧州に入ってからは缶詰中心となった。旅行中、ビザ申請などで英語を使ったが、
本当に役に立ったのは現地の言語による「ありがとう」と「こんにちわ」の2つ。不足するところはジェスチャーで補った。
金さんは、「自分を理解させようとする気持ち、相手を理解しようとする気持ちが両者間にあれば、意思疎通に困ることはない」と話す。
忘れられない出会いもあった。解放前、カザフスタンに強制移住された同胞の子孫たちだ。国籍は違えども、名前にはしっかり
ルーツを刻んでいたことに、金さんは通名を名乗る自分自身との違いを感じた。
ブルガリア、コソボ、クロアチア、イタリアなどを経由してポルトガル入り。終着点のロカ岬に着いたとき、金さんは不思議な
気分だったという。ゴールにたどり着いたんだという感慨はなかった。逆に「ここからが折り返し点、勝負だ」と自分に言い聞かせていた。
そーす 民団新聞
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