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沖縄県の尖閣諸島をめぐり、日中間の緊張がにわかに高まってきた。
きのう、北京の日本大使館を多数の群衆が取り囲んだ。石やペットボトルなどを投げつけ、
大使館内に押し入ろうとする者も出た。
ほかの都市でも群衆が集まり、日本料理店や日本車のガラスが割られた。日本製品の
不買運動も広まりつつある。
不穏な動きは、民衆レベルだけではない。おとといは中国の海洋監視船6隻が、
尖閣諸島周辺の日本の領海に相次いで侵入してきた。
異常な事態である。
中国政府は挑発的な行為をやめ、国民に対しても自制を求めるべきだ。
日本政府が尖閣諸島を購入したことが、中国の反発を招いているのは残念だ。
背景には、国有化をめぐる双方の認識ギャップがあるようだ。
一連の騒動のきっかけは、中国への挑発的な言動を繰り返す石原慎太郎
東京都知事による購入計画だ。
政府が都に代わって購入に踏み切ったのは、その方が中国との無用な摩擦を
避けられるとの判断があったからだ。
だが、政府が外交ルートを通じて説明しているにもかかわらず、この意図が
中国側に伝わっていない。あるいは無視されている。
中国外務省の高官は、日本側の主張は口実であり、知事と政府が連携して
「二重奏」を演奏したのだと断じている。
一方、中国の国民から見れば、自国の領土を日本政府がカネで買ったと
映るようだ。
中国は指導部交代の共産党大会を控え、政治の季節の真っ最中だ。日本に対して
弱腰ととられてはならないとの思いがあるのは間違いない。
一方、日本でも民主党と自民党でそれぞれ党首選が行われている。自民党の
安倍元首相や石破前政調会長らは、実効支配の強化を訴えている。
中国側には、こうした主張への警戒感もあるのだろう。
満州事変の発端となった柳条湖事件が起きた18日に向け、さらに多くの
都市でデモが予定されている。参加者の興奮が高まり、行動がいっそう過激に
ならないか心配だ。
感情的な行動がお互いを刺激するような負の連鎖に陥ってはならない。
日中関係の大局を見渡したとき、この問題で両国が衝突することにどれだけの
意味があるのか。ここは頭を冷やして考えるべき時だ。
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