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海外に寄贈のはずが…大阪市のバスなぜか宮城に
大阪市交通局が4年前、ドミニカ共和国に寄贈するため、同市浪速区のNPO法人に無償譲渡した
中古の市バス5台のうち4台が、同国に輸出されずに転売され、仙台空港(宮城県名取市)などで
使われていることがわかった。
他の1台は行方不明で、同局は13日の市議会常任委員会で「チェックが甘かった」と謝罪。
同法人にバス代金約200万円を請求するとともに、利益目的で転売された疑いもあるとみて関係者の刑事告発を検討する。
同局によると、NPO法人「食と農の地域開発研究所」が2008年1月、「ドミニカ大使館からの依頼」として
市にバス寄贈を打診。同法人は02年にも、別の団体とともに市バス20台を同国に贈った実績があり、
市は08年5月に5台を譲った。
ところが昨年8月、中古の市バスが仙台空港で活躍しているとの写真付き記事を、産経新聞が掲載。元の塗装のまま
再利用されているのを不審に思った同局職員がバスの車体に書かれた番号を確認し、譲渡したバスだったことがわかった。
同局が5台の行方を調べたところ、同空港内で運送業務に当たる会社が宮城県白石市の中古車販売業者から2台購入し、
長野県富士見町も1台買っていた。また、山形市の自動車教習所も別に1台を所有していた。
同局の調査に対し、同法人は「輸出を委託した大阪府内の業者が、通関手続きの際、『右ハンドルの車は輸入できない』
と拒まれた。そこでフィリピンの業者に再委託したが、バスを引き渡した後、連絡がつかない」などと説明。
中古車販売業者は、「仕入れ先は言えない」と答えたという。
同法人の唐沢清司理事長は、読売新聞の取材に「以前の理事長がしたことで、自分はよくわからない」と話している。
(2012年3月13日23時13分 読売新聞)
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