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米国防高等研究計画局(DARPA)の支援を受けたコーネル大学の研究チームが、光を調節することで、
40ピコ秒(1兆分の40秒)の間、時を止める=出来事を「消す」ことに成功した。
未来の兵士たちは、完全に秘密裏に任務を行えるようになるかもしれない。米国防高等研究計画局
(DARPA)の支援を受けたコーネル大学の研究チームが、光を調節することで、40ピコ秒(1兆分の40秒)
の間、時を止めることに成功したのだ。
研究論文は、1月5日付けの『Nature』に発表された。近年はさまざまな研究チームが、物体を
「見えなくすること」に関して大きな進歩を成し遂げているが、「時を止める」ことに
成功したのは今回が初めてだ。
2010年には、セントアンドルーズ大学の物理学のチームが、メタマテリアルを利用して
人間の目をだまし、目の前にあるものを見えなくする研究を大きく前進させた
(日本語版記事)。また2011年には、テキサス大学ダラス校の研究チームが、蜃気楼の
効果を利用して物体を見えなくすることに成功した(日本語版記事)。
物体を見えなくするには、物の周辺の光を「曲げる」。光がその物に当たらなければ、
人間の目には見えなくなる。一方、「時を止める」=その時にあった出来事を「消す」
場合は、光のスピードを変えることが必要だ。作用が生じた際に発せられた光によって、
われわれはその作用が生じたことを知る。通常、その光の流れは一定だ。コーネル大学の
研究チームは、簡単に言うと、そうした光の流れをほんの一瞬だけ調整して、出来事が
観察可能になることなく生じられるようにしたのだ。
実験は、すべて光ファイバーケーブルの中で行われた。光ケーブルに緑色の光の
ビームを通し、より速いものとより遅いものの2つの波長に分けるレンズを通過させた。
その際に、ビームを通す形で赤色のレーザー光線を照射した。このレーザーの「照射」は、
ごくわずかな「時間のギャップ」で起こったために、検出されなかった。
コーネル大学の研究チームによると、1秒間を隠すとすれば、全長約3万kmの装置が
必要になるという。この技術が実用化されるにはかなりかかるだろうが、この研究が
新しい可能性を開いたことは確実だ。例えば、(データの伝送時に起きるような)
瞬間的な出来事を隠すことは、密かに行われるべきコンピューターの計算を
隠すことに役立つかもしれない。
URLリンク(wired.jp)