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昭和の建築をホテルや撮影スタジオに再生、外国人観光客が殺到 大阪
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昭和期に建てられ老朽化したビルや倉庫が、建物の形状などはそのままに内装や間取りを新しくすることで、人気のホテルや撮影スタジオなどに生まれ変わっている。
昭和の雰囲気を残しながら改装したホテルは宿泊サイトで人気を集め、宿泊客の8割が外国人観光客という。
専門家は「戦後のビルはクセのあるオンリーワン物件が多いが、上手に活用することで街も魅力的になる」と期待している。
大阪市西区のホテル「Hostel 64 Osaka(ホステル・ロクヨン・オオサカ)」。外観は周囲の街並みに溶け込んだ、シンプルなビル。
4階建てのホテルの建物は、元は富山県の工具会社が大阪支社として昭和39年に建てた。
建築設計事務所「アートアンドクラフト」(同)が改装を手掛け、建物の構造やむき出しの天井、サッシやすりガラスなどは当時のまま残し、
トイレやシャワールームには最新設備を導入。新旧が混在したユニークなホテルとして、平成22年にオープンした。
「窓が自由に開けられるなど、古いビルには利点も多い。それに、その時代にしかない空間のよさもありますね。
新築に比べ、コストを抑えられる点も魅力。この10年で既存の建物を改修して価値を高める『リノベーション』という考え方が広がってきた」と同社広報担当の岡崎麗さん。
のれんで仕切られただけのドミトリータイプなら1泊3500円からと、料金設定が低めということもあり、
宿泊予約サイトで上位にランキング。8割以上が海外からの利用客で、連日満室という。
一方、昨年12月にオープンした「rockstar hotel(ロックスター・ホテル」(西区)。
昭和58年に建てられた雑居ビルだったが、構造はそのままに内外装を一新、ビジネスホテルに生まれ変わった。
客室やカフェに、新進気鋭のアーティストが描いた21人のロックスターをモチーフにした絵が飾られている。
「“遊べる”ビジネスホテルを目指しています」とアシスタントフロントマネジャーの山下莉加さん。
昭和当時の面影を残すのはビルの形状ぐらいだが、現在の基準からすればかなり低いと感じる天井も、「隠れ家的」と好評という。
インターネットを中心に評判が広がり、30代、40代の男性を中心に予約が相次ぎ、週末はほぼ満室だ。
倉庫を改修したケースもある。
大阪市住吉区の撮影スタジオ「PICNIC(ピクニック)」は、昭和初期に建てられた材木問屋の2階建ての倉庫。
これを外観はほぼそのままに、内装を一新し、3年前に貸しスタジオとしてオープン。通販カタログの撮影などに利用されている。
大阪市立大大学院工学研究科の嘉名光市(かな・こういち)准教授(都市計画)は「昭和のビルにはクセのある物件が多い。
壊して新しいものを造る今までの手法では、没個性的な建物ばかりになる。リノベーションすることで人も集まり、都市も魅力的になる。
これからも増えていくのでは」と話している。