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梅田スカイビル 世界初「空中庭園」を生んだ思想…バブルが残した日本最高の建築遺産
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たとえ物の形がおぼろげな夕暮れ時でも、電車から梅田スカイビルのシルエットが目に入ると、大阪に近づいたことがはっきりと分かる。
2棟の超高層ビルを最頂部の39、40階で接続させた世界初の連結超高層ビルとして、1993(平成5)年に誕生した。
その後の約20年で、世界では変わった形の超高層ビルが競うように建設されるようになった。ねじったような形や装飾的な凹凸を持った外壁など、
アジアや中東、そしてヨーロッパやアメリカの主要都市でも、個性的なビルが街のスカイライン(稜線)を描き変え、新しい都市のシンボルとなっている。
それでも梅田スカイビルに匹敵するものは見当たらない。箱形の形態が多い日本の超高層ビルの中では珍しく、国際的な個性を今も保ち続けて、多くの観光客を引き寄せている。
最大の理由は、設計した建築家・原広司の思想が色濃いことだろう。外装の大部分を占めるガラスカーテンウォールに空が映り込み、「空中庭園」と命名された連結部が浮遊して見える。
そこに空いた環に「空中エスカレーター」で上がる体験も前代未聞。細部には多様なデザインを混在させて、未来の集落を思わせる景観を形作っている。
見る時刻や角度によって印象が異なったり、頂部と地上が視覚的につながったりといったビルの身近な体験の中に、いつでもどこでも同じという現代建築の均質的な傾向を嫌った設計者の思いが反映されているのだ。
思いを現実のものにしたのが、高度な日本の建設技術だった。一辺が約54メートル、重さは1040トンに及ぶ連結部は地上で組み立てられ、1日でてっぺんまで持ち上げられた。
2棟をつなぐことで耐震的にも有利に働く。単なる変わった形ではないからこそ、見飽きない説得力を持っている。
ビルオーナーの決断によって、全体から部分まで設計者の建築観が投影された、わが国で数少ない、建築家の作品と呼ぶにふさわしい超高層ビルが大阪に生み落とされた。
173メートルという物理的な高さでは抜かれても、思想性の高さにおいては今も世界でトップクラス。1980年代後半から90年代初頭の好景気が残した日本最高の建築遺産と言えよう。
10月30日から11月2日にかけて、普段は見られない大阪の様々な建築を公開し、その魅力を伝える「生きた建築ミュージアム フェスティバル大阪2014」が開催される。
11月2日の13時からは「梅田スカイビルを10倍楽しむ方法」(要申し込み)。
原広司研究室の一員としてビルに関わった槻橋修氏(建築家・神戸大学准教授)が、ここでは語り尽くせない思想の面白さを明らかにしてくれる。(倉方俊輔/建築史家・大阪市立大学准教授)