15/08/03 10:26:29.84 .net
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自殺などで電車を止めると、どれくらいの代償を支払う必要があるのか-。この疑問が話題に上ることは多いが、
鉄道各社は一様に回答を拒んでおり、詳細は謎のままだ。6月に東海道新幹線内で火が放たれたケースは、
多くの新幹線に運休や遅れが出るなどし、自殺を図った男の遺族にすべての被害を考慮し
損害賠償を求めれば「5億円を超える」と指摘する専門家もいる。一方、ある主要都市の在来線ではラッシュ時の場合の
平均請求額が「800万円」(鉄道会社関係者)に上るともされ、いずれにしても遺族への負担は大きい。
6月の東海道新幹線新横浜~小田原間で発生した放火事件では、東海道新幹線計43本が運休、
106本が最大4時間半も遅れ、約9万4000人に影響が出るなど、運行するJR東海に甚大な被害が出た。
過去にも自殺を図った人が走行中の新幹線に飛び込み、運行に障害を生じさせる事例はあったが、
今回のように車内で焼身自殺を図るのは「レアケース」(JR東海)といい、特急券の払い戻しや事故に伴う人件費のほか、
破損した車体の修理費など多額の損害が出たとみられる。
鉄道評論家の川島令三氏は損害額について、「かなりアバウトな単純計算」と断った上で、
「特急券は本来の到着予定時刻よりも2時間以上遅れた場合のみ払い戻されるので、それを勘案すると、
単純な比率で影響が出た全人数の半分より少し多い約5万2000人が払い戻し対象となる。特急券の料金約5000円としてかけると、2億6000万円になる」と算定
さらに先頭車両の損害が大きかったことから、1両を丸ごと交換するとして、
「16両全体で約40億円なので、1両は2億5000万円くらい」と推測する。
すでに5億円を超えている上、放火した男を除く1人死亡、26人重軽傷という人的被害の賠償額を加えれば、さらに高額になる。
男には岩手県に高齢の姉がいるが、JR東海は「まだ警察が事実関係を捜査中で、
損害賠償を請求するかどうかも含めて話せることはない」と述べるにとどめる。
人身事故は10年間で100件以上増
「個別の案件に回答できない」とするのみで、損害賠償請求をしたかどうかについてすら、口を閉ざす鉄道各社。それはなぜなのか。
損害賠償に詳しい甲本晃啓弁護士は「日本人は『遺族』に対して特別な感情を持っている」と指摘する。
悲嘆に暮れている遺族に対し、さらに損害賠償を求めることで、一部世論から「亡くなった人の家族にどういうことだ」
(鉄道会社関係者)と非難の声が上がることがあるという。デリケートな問題となっていることが、より口を閉ざす要因となっている。
国土交通省によると、平成26年度の自殺以外の要因も含む人身事故件数は前年度より28件多い449件で、死者数も10人多い193人。
この10年間で事故件数は100件以上増えている。
そうした中、さらに今回の東海道新幹線での放火事件や、絶えないラッシュ時の飛び込みなど、
“悪質”なケースが相次げば、利用者だけでなく鉄道会社にとって大ダメージとなる。