15/07/29 17:29:03.12 .net
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日本では2015年の最低賃金が全国平均18円引き上げとなりましたが、アメリカでは昨年から今年にかけて、多くの自治体で
最低賃金(時給)を15ドル(1,850円)に引き上げる条例が可決されています。既に施行されている自治体もあり、その動向が注目されています。
サンフランシスコでは、昨年の市民投票で、2018年7月までに段階的に15ドルに引き上げることが決定(現在は12.25ドル)。
シアトルでは、従業員数500人以上の企業は2017年初までに、500人以下の企業は2021年初までに最低賃金を段階的に
15ドルに引き上げる条例が昨年可決(現在は11ドル(500人以下は10ドル)。
ロサンゼルスでは、現在の9ドルから2020年までに15ドルへと引き上げることが決定。その後は消費者物価指数に
合わせて毎年引き上げられることになっています。
ニューヨーク州では、全米で30以上の店舗を構えるファストフード店に対し、2021年までに(ニューヨーク市内は2018年まで)
最低賃金を15ドルに引き上げる提案を諮問委員会が先週提出。これに対する州議会の承認は不要であるため、
近く、州労働長官の承認後に施行されると見られています(現在は8.75ドル)。
ワシントンDCでも、2020年までに15ドル引き上げに関する市民投票が来年行われる予定です(現在10.50ドル)。
施行された都市では何が起こっているのか
これら大都市ではいずれも施行は数年後ですが、シアトル空港があるシータックという人口2万7千の小さな町では
他都市に先駆け、昨年1月から客室100以上のホテルや従業員数25人以上の駐車場・レンタカー会社等の最低賃金が15ドルに引き上げられています。
施行前には賃上げによる失業率の増加が懸念されていましたが、施行後1年半以上が経ち、大きな混乱は起こっておらず
むしろ失業率は施行前の6.5%から現在4.6%に改善されています(U.S. Bureau of Labor Statistics)。
ワシントンポスト紙によると、町内のあるホテルでは、賃上げの代わりに、これまで従業員向けに無償で提供していた
食事や駐車代などを有料にするなど福利厚生面での相殺を検討しているとのこと。ある駐車場運営会社では、
「生活賃金料」を顧客への駐車代に上乗せすることで対処しており、懸念されていた業務の自動化や従業員の解雇は行われていないそうです。
一方、別のホテルでは、夜間のフロント係や保守係など15人の従業員を解雇したり、
人件費のかかる併設のレストランを閉鎖してカフェに転換、宿泊料金を10%値上げするなどで対応しているとのこと。
但し、賃上げ以降、採用募集への応募が急激に増えており、今後は経験豊富な人材の雇用が期待されているそうです(Seattle Times)。
また、今年4月に11ドルに引き上げられたシアトルでは、17年の施行を待たずに15ドルに引き上げたレストランもあるようです。
このレストランでは、代わりにメニュー価格を21%引き上げ、チップを不要にしています。そのため、これまでチップにより時給27ドルを稼いでいた
ウエイター・ウエイトレスやバーテンダーの収入が下がり、調理場スタッフやバスボーイ(食べ終えた食器を下げる係。
移民が多い)などの収入が上がり、同じレストラン内での格差がなくなっているようです(FOX)。
今年3月に12.25ドルに引き上げられたカリフォルニア州オークランドでも、同様の値上げやチップ廃止などで対応していますが、
規制に気付かずに、あるいは気付かぬフリをして規制前の時給を通す企業も少なくないようです(SFChronicleなど)。
いずれも中小企業ですが、経営努力により賃上げの影響を回避できているようです。
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