15/07/24 13:56:50.99 .net
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環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で、参加12カ国が著作権の保護期間を「作者の死後70年」で
統一する方向で最終調整に入ったことがわかった。日本では現在「50年」のため、確定すれば20年間延長される。
日本に課されている約10年の「戦時加算」は、参加国間では事実上、解消される見通しだ。
保護期間はいま、日本やカナダ、ニュージーランドなど6カ国が原則「死後50年」で、
米国や豪州など5カ国が「70年」、メキシコは「100年」となっている。交渉では、ディズニー作品など著作権大国の米国が「70年」への統一を要求。
欧州連合(EU)を含む先進国では「70年」が主流で、日本も容認する方向で検討に入った。
70年に統一されれば、日本はTPP参加国の著作物を利用するときは、
著作権使用料を20年長く払わなければいけなくなる。日本の使用料の国際収支は米国を中心に2013年で約6200億円の赤字となっており、
赤字幅は拡大する見通しだ。ただ、アニメなど日本の作品がTPP参加国などで利用されるときは、これまでより使用料を20年長く得ることができる。
また、敗戦国の日本は1951年のサンフランシスコ講和条約で、戦勝国の米国やカナダ、
豪州など計15カ国の戦前の著作物については、保護期間を約10年延ばす「戦時加算」が課されている。
70年で統一されれば本来約80年となる計算だが、日本は加算の解消を強く要望し、参加国間では加算を無効にする方向となった。
■ミッキーもスーパーマンも…米国に有利
著作権管理団体にとっては、「戦時加算」の解消によって、海外の音楽作品などを扱うハードルが下がるのはメリットだ。
不平等な形で海外に使用料を多く払ってきた日本音楽著作権協会(JASRAC)は、「日本だけが条約に基づき一方的に
義務を課されており、国際的に極めて異例」として、戦時加算の解消を求めている。どの海外の著作物が加算の対象になるか判断しにくい上、
国によって戦争期間が異なるため、「保護期間を加算する計算が煩雑」(広報担当者)で、実務上の問題も大きいという。
ただ、保護期間が「70年」になると、米国に有利に働くという見方が強い。
米国は「ミッキーマウス」や「スーパーマン」など長期にわたり世界中で使われるコンテンツを多く持つからだ。
著作権に詳しい福井健策弁護士によると、現行の制度なら「くまのプーさん」の著作権は2017年に切れるが、
保護期間の延長で延命することになるという。一方で、日本にはこうした作品が少ない。