15/07/08 09:49:36.79 .net
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ソニーで大幅な人事改革が行われている。斬新な新制度導入の狙いとは。
社内は、異様な空気に包まれていた。課長から、数段階格下の平社員への降格。
それに伴う給与ダウン。青ざめる者が続出した。今年2月。ソニーでの出来事だ。
給与が下がった人は7月から、他はすでに4月から、新しいグレードに基づいた給与の支給が始まっている。
電機業界で「一人負け」と言われ、今年、上場以来初の無配に陥ったソニーが、
新しく導入したのが「ジョブグレード制度」だ。年功要素はゼロ。「現在果たしている役割もしくは割り当てている役割」
のみに基づいて社員を格付けし、給与もリンクさせる。社員の4割を超えていた管理職の半数が格下げされた。
ソニーの課長たちに何が起きているのか。真相を探ろうと取材を申し込んだ。
対応してくれたのは新制度を設計した柴田剛・人事部門統括部長。現役課長にこれほど厳しい改革は、必要なんですか?
「我々はソニーの商品が本当に好きで、ある時までは自信満々でやってきました。
2000年以降の事業環境の変化は全く予想外でした。いまはエンターテインメントや金融部門がなければつぶれてもおかしくない危機的状況。
ソニーをゼロから作り直さなくてはならないんです」
ジョブグレード制度の詳細も聞いた。個人でプロフェッショナルとして貢献する
社員のためのインディビジュアルコントリビューター等級群(I)と、チームを率いて管理職として貢献する社員のための
マネジメント等級群(M)を設け、社員をこのいずれかに振り分けた。新入社員の時点では全員がIに属するが、
I5から上に上がる段階で、I6かM6に分かれる。数字が同じなら、IとMの給与は同じになり、またIとMを行き来することもできる。
等級と給与がリンクするため、飛び級すれば給与も大きく変動するのがミソだ。例えばI4からM6の統括課長に抜擢されれば、月給は大幅アップ。
「人によっては月額10万円程度変わります」(柴田さん)
管理職にならなければ給与が上がらないこれまでの仕組みは、技術を究めたいエンジニアには不評。
新制度ではI6以上の上級専門職を目指す道も開いた。ハードルは高いが、モチベーションアップにつながることをソニーは期待する。
だが一方で、管理職の半数がポストから引き剥がされ格下げされる、というムチの側面はどうなのか。
給与は数年かけて段階的に減らされるとはいえ、あまりに過激。柴田さんも、社員説明会で批判が集中することを覚悟していたというが、
若手を中心に、「まだ甘すぎる」「本当にやりきれるのか」という声が多く出た。
「昔のソニーの人員構成は下が多くて上が少ないピラミッド型。それが今は逆ピラミッド型です。
バブル入社組などベテランの中には、優秀な人もいますが、若手の間には、上がつかえていて、
自分たちはバッターボックスにすら立てないという不満が根強い」(柴田さん)