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業績悪化が止まらないマクドナルドの内部で、まことしやかに囁(ささや)かれている噂がある。この6月にも、
全国でフランチャイズ店を経営するオーナーたちが苦境に耐えかねて、一斉に撤退するかもしれないというのだーー。
前回配信記事「瀕死のマクドナルド!でフランチャイズのオーナーから“バカ高”ロイヤリティ苦の断末魔」に続き、
今回も現場と関係者の声を拾いながら、その真相を追った。
■“FC離反”が止まらない!
“6月一斉撤退説”ーー。FCオーナーの間では「このままでは夏休み前にも資金が底を突き、
離反するFC、倒産するFCが続出するんじゃないか」と噂されている。
すでに昨年秋の時点で、都内に34店舗を所有していたFCオーナーが本部との契約を解除し、全店舗を手放した。
「他にも一部のFCが店舗を売却し近々、国内最大規模の100店舗以上を所有するメガフランチャイジーが倒産するとの話もあります。
もしこれが現実に起きれば、FC離反は一気に進んでしまうかもしれません」(マクドナルドOBで飲食コンサルタントの王利彰[おうとしあき]氏)
実際のところはどうなのか? 日本マクドナルドの社員がこう打ち明ける。
「FCオーナーの中途解約や契約解除は毎年10件~20件程度はあるものですが、
昨年秋以降は営業不振を理由にFCを辞めるオーナーがかつてないスピードで増えているのが現状です」
FCオーナーの離反が加速している理由について、『マクドナルド 失敗の本質』の著者、小川孔輔氏が語る。
「現在起きている契約解除は、すべてが離反というわけではありません。本部とのFC契約満了に伴うものも含まれていると推測できます。
マクドナルドのFC契約は10年。そして、同社で最初にFC店舗の出店が増え出したのがちょうど20年前の95年。
藤田田さんが社長を務めていた当時、210円だったハンバーガーの価格を130円に引き下げるなどの低価格戦略でマクドナルドは躍進し、
小型店の出店を急拡大させましたが、同時に社員独立によるFC事業を展開させたのです。
そこでFCオーナーになった元社員は05年に一度、FC契約を更新し、今年に2度目の契約満了を迎えます。
しかし、その多くがすでに高齢になっていることに加え、この深刻な売り上げ不振。彼らが3クール目の契約更新にサインをする
ハードルはかなり高いはずです」
だが、契約満了を迎えることができるオーナーばかりではない。
「本当に心配なのは、契約を終えられないまま経営が立ち行かなくなったオーナーたち」と王氏は指摘する。
「マクドナルドの場合、原則、10年間のFC契約を満了するのが決まり。やむを得ず中途解約して店を手放したい場合は、
他のFCオーナーの中から自分で店舗の譲渡先を探して、マクドナルド本社の了承の下で売却しなければならない契約です。
ただ、今の状況で売却に応じてくれるFCを見つけるのは至難の業(わざ)。最大規模のメガフランチャイジーでさえ、
年間数億円の赤字が出ている状況と思われます。今後、多くのFCオーナーが譲渡先を見つけられず、
資金繰りが悪化したまま“やめるにやめられない”状況に陥るでしょう。追い込まれた彼らがどんな行動に出るのか…」
日本マクドナルドは4月中旬に再建策「ビジネスリカバリープラン」を発表している。FC支援としては「約100億円を用意し、
ロイヤリティの減免や食材費の支払い猶予を実施する」(広報)とした。
さらに、客離れを食い止める施策として打ち出したのが「ママズ・アイ・プロジェクト」。公募によって
選ばれた母親たちに店舗や生産現場を見学してもらい、食の安全性をアピールする狙いだ。
だが、それでもFCオーナーの表情は晴れない。
「これじゃダメです。100億円の支援金? いやいや、FC店舗は2千店もあるんです。
一店舗当たりに換算すると約500万円、ひと月当たりでは42万円。これでは赤字の補填(ほてん)にもなりません」(FCオーナー・C氏)
はたして、6月の乱の行方はーー。
マック“バカ高”ロイヤリティ苦の断末魔
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毎月の売上金から本部に払うロイヤリティもバカ高い。
「モスやロッテリア、サブウェイのロイヤリティは10%以下で、それがこの業界の相場ともいえますが、
マックはアメリカ本社分と国内本社分を合わせて20%弱。さらに宣伝広告費4.5%などが加わり、毎月の支払いは売り上げの4分の1程度に達します。