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[東京 22日 ロイター] - 「ミセスワタナベ」がドル売りに動いている。今週に入ってドル/円JPY=EBSが121円台に乗せるドル高局面でも、
国内個人投資家は逆張りのドル売りが目立った。
ドル買いが先行する海外勢を中心にした投機筋とは正反対の動きで、
ドル上昇の勢いを弱める要因になっている。アベノミクス・イコール・円安進行という見方を疑問視する声が、背景にあるとの指摘も出ている。
<政府要人の円安けん制発言を警戒>
「個人投資家は、これまでのレンジを抜けたという確信をまだ持てていないようだ」─。
上田ハーローの外貨保証金事業部長、山内俊哉氏はこう指摘する。
同社では、ドルが急上昇していた局面に比べると、個人の買い持ち高の比率が低下。売り持ち高ときっ抗しつつあるという。
日米金融政策の方向性の違いなどファンダメンタルズ面から、ドル先高観が内外の市場関係者のコンセンサスになっているが、
その方向感は個人投資家も共有しているとされる。
一方、直近のドル高水準では、政府要人によるけん制発言が出やすいとの見方も個人投資家の間で定着しているという。
この両面でのせめぎ合いの結果が、ドル/円相場のレンジ予想という結果につながっているようだ。
対照的にヘッジファンドなどの投機筋は、円売りポジションを積み上げ始めた。
5月12日終了週のIMM通貨先物の投機筋の取組みでは、円が2万3593枚の売り越しだった。
足元のドル/円上昇を考慮すれば、投機筋の円ショートはさらに積み上がっていると見られるだけに、個人投資家の逆張りぶりが際立つ。
<アベノミクスへの信頼感に陰りの声>
外為どっとコム総研が5月12日から19日に個人投資家などを対象に実施したアンケート調査によると、
先行き1カ月の値動きを「横ばい」のレンジ相場と見る割合が、約3年ぶりに半数を超えた。
先行き1カ月の予想レンジは、これまでと同じ118─121円だ。
ドル/円が2カ月ぶりに121円を回復した20日。ニューヨーク市場の取引終了時点で、
同社顧客の持ち高比率はドル売り持ち(ショート)がドル買い持ち(ロング)をネットで上回った。
「強く円安を志向していたアベノミクスへの信頼感に変化が出ているのかもしれない」と、
外為どっとコム総研の調査部長、神田卓也氏は指摘する。 同社の顧客の持ち高がドル売り越しとなるのは、
少なくともアベノミクス相場が本格化した過去3年間では初めての現象だという。
ただ、米国景気が回復基調を強めるようなら早期利上げへの期待が高まり、
ドルは121円を本格的に上抜けていく可能性もある。そうなれば個人投資家の損失は膨む。
「年初来高値(122.04円)を超えてくるような動きになれば、個人投資家は再び戦略を練り直す必要が出てきそうだ」と、神田氏は指摘している。