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武田薬品工業は29日、糖尿病治療薬「アクトス」を巡る米国での製造物責任訴訟で、
大多数の原告と和解することで合意したと発表した。武田は和解金など総額27億ドル(3241億円)の
引当金を2015年3月期決算(国際会計基準)に計上する。このため前期の連結最終損益は従来の650億円の
黒字見通しから一転し1450億円の赤字となる。武田が最終赤字になるのは1949年の上場以来、初めて。
武田はアクトスに関連して約9000件の製造物責任訴訟を抱えている。原告側は薬の副作用によりぼうこうがんになったと主張してきた。
武田は和解にあたって薬の副作用とぼうこうがんとの因果関係を認めていない。ただ多額の訴訟費用負担や、
最大市場の北米でのさらなるイメージ低下を避けるため、和解により訴訟の早期収束を図ることにした。
引当金には和解金のほか、裁判に必要な関連費用なども含まれる。引当金計上により、
営業損益は従来の1700億円の黒字見通しから1300億円の赤字となる。
アクトスの副作用を巡っては、米ペンシルベニア大学などが10年間にわたって検証したデータがある。
解析結果によるとアクトスの長期投与とぼうこうがんとの関連性は認められず、
武田はこうした結果を米食品医薬品局(FDA)などに既に報告。武田は「正しい処方で服用すれば安全性に問題はない」と説明している。
日本企業が巨額の和解金を支払った事例では、1999年に東芝が米パソコン訴訟に伴う和解費用などで
1100億円の特別損失を計上。2014年にはトヨタ自動車が大規模リコール(無償回収・修理)を巡り、
米司法省に約1200億円の制裁金を支払い、司法取引で決着を図ったケースなどがある。
武田が今回計上する引当金はこれらを大きく上回り、日本企業の和解事例としては最大規模とみられる。