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続き
年初から進めてきた高付加価値戦略は、単純な価格改定ではない。有名食品メーカーとのコラボレーションによる
乳製品の活用や、国産にこだわった素材でのメニュー開発など、「こだわり」を前面に、消費税率8%への対応や
デフレ脱却に向けた取り組みだった。実際に、年度前半では1メニューあたりの価格は、約20%上がったという。
しかし、ワタミフードサービスの清水社長はこれを、「完全な失敗」と厳しく評価した。既存店ベースで見た客単価は
前年同月比プラスだが、客数は大幅なマイナスとなり、結果的に売上高は減少しているからだ。清水社長は
「消費者はチェーンストアに安さを求める」として、11月からメニューを値上げ前の価格帯に戻す緊急対策に乗り出すという。
「和民」では380円のお通しを300円に、450円のサワー・ハイボールを390円に下げる。また、「わたみん家」では、
450円の生ビールを399円とするほか、焼き鳥なども値下げする。特別なメニューの追加ではなく、
定番のコロッケやアジフライなどを割安な価格で提供し、「おいしさと価格にこだわる」(清水社長)という。
だが、値下げはしても「客単価は下げない」(清水社長)という。商品価格は下げるが、これまでより
1~2皿多く注文してもらえば、客単価は維持できる、との戦略だ。結局、デフレ脱却に向けたワタミの戦略は、
わずか半年でついえた形となった。
ワタミの方針転換は成功するのか? 周囲の見方は懐疑的だ。
「女性客や家族客を増やして、今までの居酒屋からイメージチェンジするタイミングだったのに、また。
元に戻ることを選び、不安に感じる」(証券アナリスト)、「今回の方針転換は、消費者の値ごろ感を把握した
値下げというよりは、価格帯を上げたけど成果がすぐに出ないので、今度は下げてみようという場当たり感が強い。
食品の値上げ表明が相次いでいる中、時代の流れに逆行している」(外食産業首脳)と、業界からは厳しい意見が相次ぐ。
11月の売上高速報をみると既存店の客単価は1%増にとどまり、客数は6.3%減と振るわない。
売上高も5.3%減で10月(3.2%減)よりも悪化した。場当たり策の効果はまだ出ていない。
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