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消費税増税や物価上昇でサラリーマンの節約志向が変わらない中、日本一の高級歓楽街の銀座にも変化が起きている。ボーナスが支給
される年末の街を歩いてみた。 （神野光伸）
十二月の週末、午後九時すぎ。東京・銀座五丁目の目抜き通りにある「３００ＢＡＲ（バー）」は、熱気に包まれていた。店名の通り、二百種類に
上るカクテルやつまみ類のほとんどが税抜き三百円。百人を超えるスーツ姿のサラリーマンやＯＬたちで店内はあふれ返り、身動きが取れない
ほどだ。
同店は一九九二年に創業。銀座のクラブの平均単価は三万～五万円とされるが、この店は二千円だ。店長の棚本忠良さん（２６）は
「広く知られるようになったのはここ数年。時代のニーズに合ったのでは」と語る。
同僚と訪れた都内の男性会社員（３３）は「アベノミクスで給料が増えたって？ そんなことないですよ。ボーナスが増えた実感もない。
一杯三百円で飲める店なら懐も痛まない」と満足げだ。
物価上昇を加味した実質賃金は、消費税増税や円安による輸入物価の上昇の影響で、十月も前年同月比２・８％減と十六カ月連続で
マイナス。銀座にも格安でお酒が楽しめる立ち飲みの料理店が相次いで進出。連日のようにサラリーマンたちが行列をつくる。
一方、本来の銀座の顔である高級クラブ街。「身分や地位を誇示する側面があるため、景気が悪くても通う客はいる」というが、
「客を囲い込んでいる勝ち組と、負け組にはっきり分かれてきている」と三十代の女性経営者は分析する。
企業の接待需要も減った銀座では、経営が成り立たずキャバクラに「衣替え」する店が増えたという。別のクラブの七十代のママが苦々しげに
つぶやく。
「サラリーマンの財布のひもは固いし、客足は全然戻らない。大して給料が増えていないから、格安の飲み屋が増えるんです。銀座の文化も
風景もすっかり変わってしまった」
ソース（東京新聞） URLﾘﾝｸ(www.tokyo-np.co.jp)
写真＝連日にぎわう「３００ＢＡＲ」＝東京・銀座で
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