14/12/04 00:51:11.49
ソース(ダイヤモンド・オンライン、野口悠紀雄 緊急連載「アベノミクス最後の博打」)
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?自民党は「アベノミクスで雇用は100万人以上増えた」「賃上げ率は過去15年で最高」と言っている。本当だろうか?また、円安で
大企業の利益が増えれば、その恩恵は経済全体に及ぶとしている。しかし、本当にそうなるのだろうか??現状はそれとはほど遠い
ことを以下に示す。
■増えているのは非正規労働、正規労働力は減少
?総務省「労働力調査」によると、2013年1月から14年10月までの間に、雇用者は127万人増加した。だから、「雇用が100万人以上
増えた」ということ自体は間違いではない。
?しかし、問題はその中身である。まず、正規・非正規について見ると、増えたのは非正規であり、正規は減っている。
?具体的にはつぎのとおりだ(図表1参照)。上記の期間において、正規の職員・従業員は、38万人も減少している。それに対して、
非正規の職員・従業員は、157万人の増加となっている。その内訳を見ると、パート53万人増、アルバイト35万人増、契約社員53万人増
などだ。
?もちろん、「非正規だから問題だ」ということには直ちにはならない。柔軟な就業体制は、原理的には必ずしも悪いことではない。
しかし、現実の非正規雇用に問題が多いことも事実である。
?第1に、雇用が不安定だ。また、社会保険の適用も十分でないことが多い。実際、企業が非正規雇用を増やす大きな理由は、
社会保険の負担を避けることにあるのではないかと思われる(注1)。
?第2に、次節で述べるように、パートタイム労働者の賃金は、一般労働者に対して著しく低い。したがって、非正規労働が増えることは、
全体としての平均賃金を押し下げることになる。
?こうした事情があるので、労働者としては、非正規よりは正規を望んでいる。それが実現できないのは、大きな問題だと言わざるを
えない。
■パート労働者の賃金は著しく低い
?就業(雇用)形態区分の定義は、統計によって若干異なる。先の正規・非正規という区別は労働力統計のものだ。厚生労働省
「毎月勤労統計調査」(毎勤調査)では、「一般」「パート」という区別をしている(注2)。
?この調査では、労働力調査の傾向とは異なり、従業員5人以上の調査産業計で、一般労働者も同期間中に常用雇用指数が99.1から
101.2に、2.1%増加している(図表2参照)。ただし、パートタイム労働者の指数は106.9から111.8へと4.6%増加している。したがって、
パートタイムの増加のほうが著しいことに変わりはない。
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?なお、この統計では、就業形態別の給与水準が分かる(図表3参照)。
?現金給与月額を調査産業計で見ると、一般労働者が33万9374円であるのに対して、パートタイム労働者は9万4882円と、28.0%の
水準でしかない。
?しかも、伸び率も低い。一般労働者が対前年伸び率1.1%であるのに対して、パートタイム労働者は0.5%でしかない。したがって、
時間が経つにつれて、賃金格差は拡大するわけである。
?なお、以上の傾向は、産業別に見ても変わらない。
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(>>2以降に続く)